ついついグルメ番組があると見てしまう。

あ~!!
もうすぐ『どっちの料理ショー』が始まる。
はよ帰りて~!!!!!!

つーか、今日木曜日は『魔法のレストラン』もあるから、
グルメ番組好きにとっては仕事やってる場合じゃないんやけどなー。
そういや先週日曜日にこの番組の司会の水野真紀さんと写真撮ってもらったじょ。
なんせ今は同じ徳島県人ですから!! めちゃ綺麗かったな。

あと、木曜といえば『VVV6東京Vシュラン』もあるし、
それにくらべて水曜日ってテレビおもんないなぁ。。。。。

さて、突然ですが、復活して欲しい過去のグルメ番組BEST3

3位・・・あまからアベニュー(竜雷太と八方)
2位・・・もぐもぐGONBO(ヒロミとこぶ平)
1位・・・愛川欽也のEAT9(誰も知らんわ!!)

とにかく、
小学校の頃から料理していたのもあって、
気になる料理が出てきたらついつい自分でもつくってしまう。
でも最近はやってないなぁ。。。。。

『キューピー3分クッキング』なんて
まとめてDVDが出たら買いたいくらいだ。

んで、
こういうグルメ番組を観るときに、
どうしても気になってしまう点がある。

料理を映すときの
カメラの“アングル”である。

これには理由がある。

さかのぼること約10年前、
僕がタウン誌の編集者になって初めて単独で担当をもらえたカラーのコーナーが、
グルメのページだったのだ。

当時は今みたいにタウン誌のほとんどがカラーなんてことはなかった。
半分以上がモノクロページだったので、カラーページを担当させてもらえるのは編集者にとって花形だった。

本当は、町で見かけたカワイイ女の子をいっぱい載せるコーナーを担当したかったんだけど、新米としてはそんなこと言えません。最初は泣く泣く引き受けました。

が!!
このグルメページを毎月やるにつれハマってしまいました。


この料理はどうやったら美味しそうに撮影できるだろう???



たとえば来月号でラーメン特集をやることになったとします。

机の上には頑固なオジサンがつくってくれた1杯のラーメン。

カメラを構える新米編集者・・・・ボク。

ドンブリを真上から撮ろうか?

ちょっとナナメから撮ろうか?

お箸で麺を持ち上げたところもいいなぁ。

ピントをチャーシューの脂身に当てて、バックをうっすらぼかすのもいい。

ちょっと待てよ、
少し写り込むバックはこの木のテーブルでいいのか?

ドーンと厨房にある寸胴をバックにぼかして、
前面にラーメンをアップで撮るとかっこいいアングルだぞ。


そんなこと思っている間に、
ラーメンはのびちゃってます。

具のノリがスープに沈んでシワシワになっちゃってます!!

ネギがぜんぶ沈んでいってます!!!!

料理撮影は、
時間との戦いであり、思考との戦いだ。

まして当時はデジカメなんて当然なくて
1本800円もするポジフィルムで撮っていた。
経費削減のために出来る限りシャッター数を抑えないといけない。

不安なので本当はもっともっと撮っておきたいところだ。

そして
当然のことながら、
ちゃんと撮れているかどうかは
翌日に現像してみないとわからないのである。


現像屋さんから上がってくるポジを見るのはドキドキものだった。
恥ずかしい話だが、最初の頃は、全部ピンぼけだったり、
アングルが最悪だったり、
一番最悪なのがフィルムを入れ忘れてたり・・・・・・・・・。
もちろん、お店に謝って撮り直しです。。。。。

今のデジカメ全盛の時代なんて編集者にとっては天国のような環境だ。
その場で画像をチェックして、駄目だったらすぐに撮り直せばいい。
何十枚でも気にせずシャッターを押せる。

しかし、当時の緊張感を経験していた者は、やはり強いのである。
それは、版下時代を経験しているマックデザイナーもしかり・・・・
まぁこの件については話が長くなるのでまた今度の機会に。


そんなこんなで、
料理を見るたびに、そのカメラアングルが最も気になってしまうという
一種の職業病になってしまった。


・・・・・というのを前提で、
今回どうしても取り上げておきたいグルメ番組がある。

深夜番組なので、読者のママさんたちはなかなか観れないかもしれませんが
水曜日の午前1時前後に『魂のワンスプーン』という番組がTBS系で放送されている。

ま、簡単に説明すると
『料理の鉄人』のように和洋中のシェフが料理の腕を競うのだけど、
料理は“スプーン1杯”に盛りつけるというのがルールである。

だから、
●スプーン1杯に盛られたパスタ料理
●スプーン1杯に盛られたロールキャベツ
●スプーン1杯に盛られたパイ包み焼き
などを、スプーンという器を使って、
アイデアとテクニックを駆使して料理をつくるのである。

なかには
●豆粒くらいの超ミニミニにぎり寿司をスプーンに何個も列べて出した料理人もいた。料理と言うよりギネスに挑戦みたいだ。


しかし・・・・・

このスプーン料理というやつが
どーも美味しそうに見えないのだ。

その理由は、審査員たちが試食するときにある。
ゲストの女優も、料理研究家のオバチャンも、司会の石原良純までも、
ア~ンと口をあんぐり開けてスプーンにてんこ盛りになった料理を食べるのである。

なかには、一口では無理なほどうずたかく積まれた料理が乗っている場合もあるので、審査員も必死で大口開けて食べる。

いや、正しくは、食べるとういよりも、
スプーンから口内に流し込んでから
咀嚼して味わうという映像が続くのである。

この映像が、汚らしいというかオマヌケというか、
大口開けてアーンという映像は滑稽ですらあり、
グルメ番組の本質である「これ美味しそう~」という感情が沸いてこないのである。

しかし、
たった1杯のスプーンだけで勝負するという企画自体は悪くないと思う。

僕が思うに、
あれは“テレビ向き”の企画ではないんじゃないだろうか。

われわれ雑誌編集者のアイデア会議でも、
よく若手がやりがちな失敗のひとつに
“雑誌的でない企画”つまり
“テレビ的な企画”しか思いつかないというのがあるが、
あの番組はその逆で、
あれこそ雑誌でやるべき企画だったように思えてならないのだ。

だって、
金のスプーンにちょこんと乗ったエビとアボガドの前菜なんて、
その色遣いからしても芸術的に美しかったりして、まるで宝石的でもある。

これをマクロレンズで撮って、
『ダンチュー』あたりのグルメ誌に載せたら実に栄えるはずである。

そこには、大口をアーンとおっぴろげて食べるシーンは必要ないのだ。

料理ネタというのは本当に難しい。
人間の“食欲”という本能をどこまで目覚めさせることができるかだ。

そして、つくづく企画とは本当に難しい。

同じ企画でも、
テレビではウケても、雑誌では表現が伝わらなかったり、
ラジオでは人気でも、映像が入っちゃうと駄目になったり・・・・・。

企画屋は、
媒体の本質を見極める目が必要である。

われわれワイヤースタッフが月に1度行う企画会議は、
それの集団訓練だといえるかもしれない。

夕方から始まって、長い日では太陽が昇るまで企画を闘わせる。

「それは面白いけど雑誌よりもテレビ向きやな~。」

「でも、あと一ひねりしたら、雑誌的におもしろくできるな~。」

「そりゃ確かにその企画はおもしろいけど、(育児情報誌としての)我々がやるべきじゃないな、他のタウン誌に任せよう。」

「それもまたおもしろい企画やけど、(地域密着雑誌としての)我々がやるべきではないな、全国誌に任せとこう。」


非常に簡略化して説明したけど、
まぁこういう議論が飛び交っているのである。
当然まだまだ発展途上中ではあるが少しずつ前進はしていると思っている。


広告もしかり。


ただ単に、雑誌広告だけを売っている営業マンは(これからの時代は)
タウン誌に不要である。

ターゲットと商品性とセールス時期やPR目的。

たとえば、その広告の目的が“新規顧客開拓”である場合と、
“既存客リピーター化”であれば、
載せるメディアも変わらないといけない。

いや、メディアというよりも「今回は広告掲載はせずに、手書きチラシを社員総出でポスティングしましょう」という提案だって、出来ないといけない。

しかし、タウン誌営業マンには、なかなかこれは出来ない。

だって、自分の本に広告が入らないとやってけないもん。
上司に怒られちゃいます。


だから、一つ覚えで自分の雑誌広告しか売らないのである。

ま~、ソンしてまで提案するのはナンセンスだけど、
そんなときは「他誌との代理店契約」とか「制作費」「企画費」でまかなったらいいだけの話だ。
ところが、当然のごとく“自分の雑誌”に入れるのが一番金が取れるから、効果があろうがなかろうが出させようとする。

だれもがソンはしたくないのだろうけど、

これだけは決して忘れないでおこうといつも思っている。

雑誌の枠や、手法の枠にとらわれず、
その時ベストな提案をしてゆきたい。

自分たちがソンをするのも、もちろんイヤだけど、

一番ソンをさせてはいけないのはお客さんである。

そして、不思議にも
そうやって3年間やってみると、
お客さんもいつも一番に声を掛けてくれたりする。
来月号は過去最高の本数デス!

・・・・・・・・・・おっと
今日もグルメから
無理矢理マーケティング的な話に変えちゃいましたが、
毎日日記続けるには
ときにチカラワザも必要なんです!!


ほなけど、、、、、、










これ書くのに必死になりすぎて、
どっちの料理ショー、間に合わんがな!!!!!