イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

グッドデザインエキスポ2011、クルマ関連部門はまた明日~なんていっておいて
原稿に追われていました。失礼いたしました~。
なぜか月末は締め切りが重なるんですよね~(笑)。

さて、そのグッドデザインエキスポクルマバージョン。
スズキのソリオやらボルボのS60やら
デザイン性にこだわった車種が展示されていましたが
実は個別にブースを出している自動車メーカーは
ニッサンとホンダだけなんです。

ニッサンはセレナをドーンと置いて、
『ZERO EMISSION』と『PURE DRIVE』、つまりガソリンと内燃機関の
両方をブラッシュアップしてこそ、環境とクルマが共存できることを
アピール。

ホンダは前面にインターナビが展示されていたので
パッと見ホンダのブースとは気が付かないような展開。
そういえば、ホンダのインターナビのプローブ情報が、東日本大震災の直後
活躍したんですよね。
その奥には電動スクーターDIO110と電動バイクEV-NEO、
世界最小サイズの新型家庭用コージェネレーションユニットを展示。
「人を中心としたデザイン」をアピールしていました。


そしてそして、個人的に今回いちばん面白かったのが横浜ゴムブースだったんです。
省燃費タイヤ「BluEarth(ブルーアース)」シリーズの展示と同時に
自然環境にある形状、現象に着目したタイヤデザイン
「Nature Design(ネイチャー・デザイン)」を通して、横浜ゴムが考える
環境と人にやさしいタイヤデザインの未来の姿を発表するということで
とってもユニークなタイヤのコンセプトモデルが展示されていたんですよ~。

地球に負荷をかけず環境にも人にもやさしいデザインという要求を満たす
ヒントを探していたら、なんと自然の形の現象の中に、たくさんのヒントが
見つかったんだとか。

まずは「コンセプト ハニカム」
蜂の巣やカメの甲羅などといった六角形の集合体。
俗にハニカム構造と言われるカタチです。
このハニカム形状の六角形のブロックをお手本に、適切に配置すると
ブロック剛性が高めつつ、転がり抵抗を低減できるんですって。
また六角形ブロックは、縦・横・斜めという、あらゆる方向の力に対応するので
全天候で優れた性能を発揮するとのことでした。


続いて「コンセプト ユラギ」
大気や川の流れ、炎のゆらぎをヒントに生まれたこのデザイン。
ロウソクの炎、小川のせせらぎ、木漏れ日、蛍の光などのゆらぎ。
これってヒーリング効果が高いんだそうです。
そういえば、美空ひばりさんや宇多田ヒカルさんの声には
1/Fのゆらぎがあるそうで、ここに癒し効果があるというのを
テレビでみた記憶があります。
ちなみにタイヤの世界ではこのゆらぎ、心地よく静かなタイヤを
作るのに効くんだそうですよ~。


そして「コンセプト シモン」
シモンとは指紋のこと。この指紋があることによって、私たちはモノを
しっかりと掴むことができるんですって。
ということは…そうです、雨の日や雪道など、タイヤが滑りやすい路面で
360度あらゆる方向に、摩擦の力を発揮できるのが指紋デザインというわけ。
う~ん面白い。

ラストは「コンセプト ヨウミャク」
ヨウミャクとは葉脈のことです。
植物の光合成は葉の面積によって効率が決まるそうですが
重力や風雨などに耐えることを考えると、大きい葉を常に広げておくことは至難の業。

そこで、植物は上下左右さまざまな方向から外力が加わっても
葉が折れたり切れたりしないように、構造上の支えである葉脈を供えているんですって。

この葉脈がしなやかな強い構造を実現する形状のヒントになり
なんと、空気を使用しないタイヤが登場。
サイド部が全部、葉脈状のウレタンで支えられているそうです。

空気を使用しないタイヤというのは、以前ミシュランが開発し
NASAに納入、月面探索機のタイヤなどに採用はされているらしいのですが
葉脈をヒントに乗用車用のタイヤにという発想は初の試み。

さらにビックリしたのは、トレッド面には穴がボコボコ空いていること!
空気を入れていないから、穴を開けても大丈夫というワケなんですが
この穴を雨水が通り、横へ抜けていくので、極端な話ストレートグルーブとか
ショルダー部のサイプもいらないってワケ。
となると、ショルダー部やブロック剛性などが高まり、高グリップを発揮、
しかも雨にも強い! ときたら、レーシングタイヤにもピッタリじゃありませんか。

本来の目的は世界的には年間パンクで何十万人もの方が亡くなっているそうで
その悲しい事故をなくすためのアイデアなんですけど
これは色々なことに応用できそうですよね~。

でも実現するのはまだ先なんだとか。ウレタンはゴムより劣化が早いので
ウレタンに変わる素材を見つけなければならないんだそうです。

黄金比とか環境にも人にも優しいデザインとかは、やっぱり
自然の中に息づいているのかもしれませんね!




竹岡圭 Kei TAKEOKA