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先日、ダイハツ工業がお勉強会を開いてくださいました。
この日はボディに関する勉強会で主なテーマは
高張力鋼板=ハイテン材と言われているヤツです。
ハイテンションもハイテン材も引っ張る力が掛かっているのは
同じというワケですね。

このハイテン材何がメリットかというと、
衝撃吸収力が高いんですね。
なので、万が一クルマがぶつかったとき
ボディをつぶして乗員空間を護るという、
あのクラッシャブルボディにも適しているというワケなんです。

また同じ厚さでも硬くできるので=軽くできるというワケ。
クルマは軽いほうがメリットが大きいことが多いので
ハイテン材は軽量化にもかなり貢献しているってことなんですね。

で、どれくらい硬いかというとこの写真。
同じ厚さの鉄板なんですが
片方が270メガパスカルの普通の鉄板。
片方が980メガパスカルのハイテン材です。
(ちなみにハイテン材とは、340メガパスカル以上のものを指すのだそうです。)

片方がグニャリと私の握力でもつぶれてしまうのに対し
片方はまったく無反応…って感じなくらい違います。

これを何かに例えるとしたら
普通の鉄板=割り箸
ハイテン材=鉛筆

もう少しイメージ的なものだと
普通の鉄板=ぬれ煎餅
ハイテン材=お煎餅

といったところ。つまり鉄板はグニャリと曲がりますが
ハイテン材は硬いのである程度以上の力が掛かると割れてしまうんですね。
でもそのある程度以上の力がとてつもない力なので
衝撃吸収力に優れているというワケなんです。

ちなみにタントはBピラーレスなので助手席側のドアの後端と後席スライドドアの前端には
なんと1470メガパスカルの超ド級のハイテン材パイプが仕込まれていました。
だから側面衝突クリアしてるってワケなんですね~。

ちなみにどこでもかしこでもハイテン材を使えばいいかというとそうではなく
ハイテン材はプレス段階でヨレや割れができやすかったり、スポット溶接が
難しかったりするので、材料以上のコストが掛かる。
そのため、必要なところに的確に採用するのがポイントなんだとか。
だってタントが500万円になっちゃったりしたら、そうそう買えませんからね~。

ちなみにダイハツのコンパクトカー、ブーンのほうがハイテン材は
たくさん使われていますが、ハイテン度(硬さ度)はタントのほうが
上なんだとか。

見た目は鉄板だけど、実に奥が深いんですね~。