今回セウォル号が沈没した海域では、今から104年前に鉄嶺丸という船が沈没している。
このあたりの海域は昔から海が荒いようだ。

日韓併合条約が調印されるひと月ほど前の明治43年7月22日。
大連発大阪行きの鉄嶺丸が木浦沖の海域で沈没した。
この鉄嶺丸の海難事故でも約200人の犠牲者が出ている。

鉄嶺丸海難事故は相撲の世界では結構有名な話がある。

この時の鉄嶺丸にはなんと天下の大横綱・常陸山をはじめとする東京大相撲の一行裏方も含めた約200人程が乗船し凱旋帰国するという予定になっていたからだ。

そしてこの鉄嶺丸海難事故の一報が東京の留守宅に伝わるやどえらい騒ぎになったことが当時の新聞に書かれている。

実際には、言い出したら周りの声が聞こえない常陸山が大連で…

「ここまで来たのだから日露戦争で亡くなった英霊たちの鎮魂のために旅順で奉納土俵入りがしたい」

と言い出したそうな。
さっさと帰りたいという声がほとんどであったらしい。

しかし常陸山の真っ当な意見が通り、鉄嶺丸での帰国を取り消し、日露戦争の英霊たちのための鎮魂の土俵入りをしたそうな。

きっと英霊たちも遠い祖国の大横綱・常陸山が自分たちのために土俵入りに来てくれたのだからその恩に報いるために力をかしてくれたに違いない。

東京大相撲の一行は沈没した鉄嶺丸には乗らずに命拾いをしたのである。