瀬戸 渚は もう秋
人の姿は なくて
海岸に置き去られた
古びた熊のぬいぐるみ
海を見つめ 砂にまみれて
打ち寄せられた 白化した木の枝に
寄りかかり そこにある
忘れて行った 主人を
まだ 待ち続けているのか
それとも 嘆いているか
その顔に 砂の涙が
頬を伝い 落ちる
切ない 秋の潮風は
ただ黙って 彼の周りに
吹き 舞い踊るだけ
遊んでくれた 主人の
心にはもう ぬいぐるみは
ないのだろうか それとも・・・
遠い島から 流れ着いたのか
何も語らぬ ぬいぐるみに
素性を 語る口はもたない
秋の浜辺は 物悲しく
打ち寄せる波は 白砂の浜を
撫でるだけ
厳しい夏の 暑さは南に消えて
瀬戸の 海は 色を濃くし
そこに 佇む
もう既に 思い出の中
厳しき冬を そこに座り
海を眺める 遠き南の
夏を ただ見つめる
一粒の 砂の涙
頬を濡らして・・・
----------
涙のキッス 押尾コータロー
----------
人の姿は なくて
海岸に置き去られた
古びた熊のぬいぐるみ
海を見つめ 砂にまみれて
打ち寄せられた 白化した木の枝に
寄りかかり そこにある
忘れて行った 主人を
まだ 待ち続けているのか
それとも 嘆いているか
その顔に 砂の涙が
頬を伝い 落ちる
切ない 秋の潮風は
ただ黙って 彼の周りに
吹き 舞い踊るだけ
遊んでくれた 主人の
心にはもう ぬいぐるみは
ないのだろうか それとも・・・
遠い島から 流れ着いたのか
何も語らぬ ぬいぐるみに
素性を 語る口はもたない
秋の浜辺は 物悲しく
打ち寄せる波は 白砂の浜を
撫でるだけ
厳しい夏の 暑さは南に消えて
瀬戸の 海は 色を濃くし
そこに 佇む
もう既に 思い出の中
厳しき冬を そこに座り
海を眺める 遠き南の
夏を ただ見つめる
一粒の 砂の涙
頬を濡らして・・・
----------
涙のキッス 押尾コータロー
----------
