連続TV小説「ウェルかめ」VOL3
第二十一週「道に出会えば、誰かとつながる」第121回~第126回


◎ 第125回 第126回


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◎ 第125回



ゾメキ解散以来、久しぶりに吉野編集長と出逢った波美。
別のお客を見送り、吉野とロベのいるテーブルに着きます。

波・失礼します。と言って席に着く波美。
なんや久しぶりな感じがします。
吉・ほうやなあ。毎日会うとったのになあ。一ヶ月近くも
逢わんとなあ。
波・編集長もお元気そうで、なによりです。
吉・なあ。ロベが紹介した話。あかんかったんやんて。
波・はい。すいません。ロベに言う。いやいやというロベ。
もうちょっとのところで別の方に決まったらしくて・・・。
吉・勝乃新が倒れた言うんはホンマか?
波・はあ。忙しすぎて・・・。
ロベ・ええ。大丈夫なのぉ?
波・ほしたら実はうちまでも倒れてしもうて・・・。
ええ!!とびっくりする二人。
吉・何しとるん。夫婦でぇ。笑いあう三人。で。他廻っとうん?
波・はい。どうにか、ハローワークには通っとんですけど、
徳島市内ではなかなかなくて・・・。
吉・ハマちゃん。あんたの夢は徳島出て、仕事する事やったやろ?
波・はあ・・・・。なんていうか、その・・・。今、自分の隣に
おる人が面白くてしょうがなくて・・・・。ええ。という吉野。
発心が復刊するまでの間の心算ですし、やっぱり徳島におって、
仕事してみよかって・・。今は。
吉・ほうなんか。
波・発心がホンマに好きやったんやなあって・・・。
しみじみ感じとぉって。
ロベ・波美ぃ。
波・啓さんじゃないんですけど、発心で習うた事は、好きやなあ。
自分が一番大事にしたい事が、ようやく見つかって来ようったけん。
吉・まあ。色んな人と会うてみぃ。ナ。うちらもなゾメキの再建
するにはなあ、いっちゃん大事な事は、応援してくれる縁をもう一度
辿る事や思うとる。
ロベ・うん。今日もね。これからちょっと、人に逢うので待ってる
んだよ。お水で・・・。ハハハと笑う二人。
波・そうなんですか。
吉・ゾメキの名前は残したいからな。せめて、一年に一冊くらいは、
単行本出さんとなあ。そっからまた発心に戻れるかも知れんけん。
今日実はな。道の駅の人に逢うんや。
波・道の駅?
吉・最近どんどん増えとうやろ。
駅長館の会長さんと昔からの知り合いでなあ。
なんやな。道の駅のガイドブックなるもんを、作るんやて。
ほいでうちらもな。名乗りあげようか思うて・・・。
波・はああ。うんと頷く吉野。
ロベが吉野に合図する。いらした。いらしたというロベ。
二人の人が入ってくる。駅長:山本 弘と美波町道の駅駅長の
吾妻好之:江良 潤であった。
店の人がいらっしゃいませという。
どうぞこちらへとロベが言う。


駅長・吉野はんお久しぶりです。互いに挨拶を交わす。
発心が廃刊になった言うてホンマ驚きました。大丈夫ですかい。
みんな解散してもうて。皆さんどないかなっとりますか?
吉・いやあ。どないかいうても・・・。
波美が水を運んでくる。
波・いらっしゃませ。
吉・ああーあ。この娘なあ。うちの編集部におったんですわ。
浜本。あっいや山田波美。通称ハマちゃんです。
波・山田です。始めましてとお辞儀をする波美。
駅長・ほうですか。始めまして。
いや今日はね。えーーー。徳島の道の駅の駅長会議がありまして。
はあ。という吉野。あっ。こちら、新人駅長の吾妻さん。
吾妻がお辞儀をする。ちょっと誘ってみました。
吉・はあどうぞ。と言う。
吉野と吾妻が名刺を交わし挨拶をする。名刺を眺める吾妻。
吾妻・あーーその。お断りしようと思ったんですが、あのね。
この人がついて来いついて来いって言って。
駅長・いや。面白い人がおるんよ。逢った方がええで。
吉・まあ光栄ですわぁ。まあ。お座り下さい。
コーヒーで宜しいですか?はいという駅長と吾妻。
あのうあれですか?道の駅の駅長さんというは皆さん勢ぞろい
されて集まることあるんですか?

駅長・まあ色々と問題抱えてるもんでね。最近は指定管理者制度と
いうもんがあって民間企業のプロが管理しとう所が増えてきとん
ですわ。道の駅というのはまあ。街道筋の宿場みたいなもんでね。
その土地の人も潤わないかんけんども、訪れる人も便利やないと
あかん。このバランスの上で繁盛するんが理想ですわ。

吉・ほうですねえ。ほれが面白しょいんですわ。
波美に座るように促す吉野。

駅長・まっ。ホンマそうやろうね。

吉・あのう。うちこんな事言うてなんなんですけんども、例の道の駅
を集めたガイドブックですね。あれどこか決まりましたでしょうか?
もし出版社が決まっとられんようやったら。

駅長・あの話か。はいという吉野。あれはね。つい数日前に決まっちゃった
んですわ。出版社。

吉・はああ。と落胆する吉野とロベ。ほうですか。そうかあ。
とロベと顔を見合わせる。

駅長・また役立つ情報がありましたらね。お知らせしますから・・。

吉・あっはい。そのときはまた宜しくお願い致します。
そういうと頭を下げる吉野とロベ。
(何故か波美も一緒にお願いしている)またゾメキを愛する波美でした。

吾妻・焦らない事です。と訥々と話し出す吾妻
はい?という吉野。アハハと軽く笑う吾妻。
こういう時は人生に必ず沢山ある。何処で何が起きるか分らない。
そういう時も、おもしれぇっと思って歩いていくのが良いんです。

吉・おもしれぇ?意味が分らず聞きなおす吉野。
ええ。はい。という吾妻。

駅長・あっいや。この人なんかね。東北の生まれなんよぉ。
それが今や四国に来とって。

吉・あーーほうなんですか。

駅長・この間の駅長公募に応募されて、駅長さんになったばっかり
なんですわ。

吉・ほうやったんですかあ。

吾妻・あのう。深い山で迷った事ありますか。ええ?という吉野。
私中学の時、祖父が管理していた信州の方の山小屋に預けられて、
生活した事がありましてね。山で迷うとね。道に出会う事が、
どんなに助けられるかしら。いえそんな・・・どんなちっちゃ
こくてもええんです。それがどこに繋がっていようがホンナ事は
良いんです。どっかに繋がっている。道に出れば、いのちが
救われる。それがあ。嬉しいーーん。

ロベ・分る気がするなあ。

吾妻・道を行けば誰かに会える。そこに住んでいる人たちがいる。
そんな風にたどり着いた場所で、いっつも生きてみようと思う
てたねえ。

波・編集長。うん?という吉野。吾妻さんにも発心を読んでもらい
たいですねえ。

吉・あっ。あああ。ほうやねえ。

吾妻・発心?と駅長に聞く

駅長・あああ。ええ雑誌やったんよぉ。

吾妻・一度読ませて下さい。と吉野に言う。

吉・あああ。ホンマですかあ。いやあ。そう言うて
もらうと嬉しいわあ。

ロベ・ああそしたら編集長。お送りさせてもらいましょうか。
と手帳を取り出して送り先を聞こうとするロベ。
あああ。という吉野。

吉・あのう吾妻さんはどちらの道の駅ですか?

吾妻・僕。美波町言うとこです。

波美がはい!!とびっくりする。

ロベと吉野が笑っている。アハハそりゃあ。そりゃあ。と言って
笑っている。

駅長・お馴染みですか?と問いかける。

波・はい。ほんだってうちの実家美波町なんですぅ。

へええ。と駅長と吾妻は顔を見合わせそうなんですかあ。という。

その夜アパートへ戻った波美は一日あったことを勝乃新に報告して

いる。

勝・へええ。そうかあ。ホナその人美波町の道の駅の駅長さん
やったんかあ。うんという波美。

波・ほうなんよぉ。まだに三ヶ月目言うとったけど、ほれがな。
色々苦労されとるみたいなんよぉ。けど全くほんなふうに見えん
言うか・・・。なんや笑顔も素敵で山で迷子になった時、道が見える
とどれほど嬉しいかあ。言われてホレほんまやなあ思うてなあ。
その道を行って辿りついた所で生きてみよう。いつもほう思う
んやって・・。また逢うてみたいなあ。ととっても楽しそうに
話す波美を見て勝乃新もなんかとっても嬉しくなるのだった。

勝乃新を見て自分ばっかり話していることに気づいた波美。

波・ほうや自分の事ばっかりやったなあ。うちは・・・。
勝乃新は今日はどないしとったん?

勝・いやあ僕の話はええて。

波・ほなんけんど、約束じょぉ。ごめん。自己中でした。と頭を
下げる波美。

勝・研究室の話や聞いても詰まらんやろう。

波・ほんな事ないよぉ。何でも知りたい。

勝・あはっ。分った。けどそれは後や。久々に見れてめちゃ安心

したで。という勝乃新に何を?と聞く波美。

勝・カメ子の笑顔。えっ!!とびっくりする波美。
あっ。そうや。今度帰った時に寄って見たらええやんか。なあ。
あっ。っていうかそれバックナンバー自分で届けたらええわ。なあ。

波・うん。ホレええなあ。ええ事言うでぇ。うちの夫は!!。
と二人で笑いあうのでした。

そんな訳で美波町にバックナンバーを届けに来た波美は、道の駅
美波を訪ねるのだった。

(実際の道の駅の撮影舞台は、道の駅日和佐という駅です。道の駅
美波は存在しません。)

物産の並ぶ店に来た波美。吾妻を見つけて声を掛けます。

波・あのう。失礼します。

吾妻・あーーーこの間のぉ。

波・はい。例のそのう・・。

吾妻・発心ですねえ。

波・はい。直接お渡ししようと思って持って来ちゃいました。

吾妻・あーーいやあ、どうもありがとう。読まさせてもらいます。

はい。と言う波美。どれどれと言って本を見る吾妻。
ちょっと読んでいやあ面白そうだなあ。という吾妻。
あっ。そうだ。どうぞ。中へ・・・。どうぞ。というと事務所に
案内する吾妻。一緒に事務所に入ってゆく波美。

波・この間はうちまで一緒にお話できて嬉しかったです。

吾妻・なんもなんもたいした面白い話も出来なくてぇ。
あなたがここの人だったとはびっくりしたですよぉ。

吾妻・どの辺りですか。ご実家は?

波・はい。はまもと荘いうお遍路宿です。

吾妻・えっ。はまもと荘のお嬢さん。はいと言う波美。

波・ご存知ですか?

吾妻・ええ。えええ。お父さんサーファだもんねえ。

吾妻・いやあ。こんなおっきなお嬢さんがいたとは・・・。
知らんかったなああ。

吾妻・若いもんねえ。お父さん。ささどうぞとコーヒーを
入れてくれる吾妻。
これもなんかの縁だなあ。はい。ホンマにという波美。

波・帰ってきとってもなかなかここには寄らないですから・・・。

吾妻・でしょう。これからは是非寄って下さい。はいという波美。
あれ。波美ちゃんなん?と原田千鶴子:宮川サキが声を掛ける。
あああ。原田君のお母さん。とびっくりする波美。

あれえ。知り合い?と千鶴子にいう吾妻。

千鶴子・ええ。息子の同級生じゃけん。

波・手伝っとられんですか

千鶴子・ほぉ。みんな巣立って暇になったけんな。たまにこなん
してパートでうじうじしとるんよ。

波・へええ。パートとかあるんですか?

あるでよ。ほこに募集が貼り出されとうでぇ。学生バイトから
おばちゃんバイトまで・・・。ふふふ。と笑う吾妻。

波・へええ。

吾妻・山田さんみたいな編集者の人がちょっとの間でも
手伝ってもらえたら、助かるなあ。

波・何かうちでも役に立つような事あるんですか?

吾妻・うんうん。いっぱいありますよ。このホームページも
充実させたいし、ブログも始めたばっかりです。

波・ブログ!?駅長さんが・・・?

吾妻・いや私はそういうの苦手でぇ。バイトの皆さんに順番に
手伝ってもらってねえ。

千鶴子・うちもあんまり得意じゃないけん。

その話を聞いていた波美は何か考え付いたようです。一人でにっこりと
笑う波美でした。

(アレレ。何を考えとるんでしょうか:ナレ・三枝)

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吾妻との出会いが波美を変えて行くのでしょうか。ちょっと前が
見えてきた波美です。久々に吉野とも出会い気分もいいみたいです。
道の駅が出てきていい雰囲気の所でしょ。(⌒^⌒)bうふっ。
明日をお楽しみにぃ。
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◎ 第126回




吉野が道の駅のガイドブックを作るための出版社を自分の所でと、
アピールしようと逢う事になっていた、道の駅駅長:山本 弘が
偶然連れてきた美波町の駅長、吾妻好之:江良 潤の話を聞き
人となりに興味を持った波美は、発心のバックナンバーを読んで
もらおうと考え、自分で雑誌を持っていきます。
その中で波美の心に新たな思いがわいてくるのでした。

はまもと荘では北海道旅行から戻った、加代と哲也が旅の土産話に
花が咲き、訪れていた波美への土産と言って、北海道のTシャツを
プレゼントしています。

加代・ホラホラ。これ波美と勝乃新君にお揃いじぇ。

波・うわーー。ありがとう。とお土産のTシャツを受け取ります。
なんや気使わせて悪かったなあ。

航・僕のはあ?

哲也・おぉぉ。これじゃあ。じいちゃんはこれぇ。とそれぞれに
土産を渡しています。

加代・小樽って写真で見とったんとそっくりじぇぇ。運河の側に
石造りの倉庫ホンマに綺麗に並んどったでぇ。写真で見とった風景
そのまんまで。
哲也・やっぱり観光地はお洒落じゃわぁ。土産もん屋の前のカフェ
なんかもう立派なもんでぇ。加代。これはなんや、うちんくも
カフェくらいつけとかんと店としては成立せんかもしれんなあ。

加代・カフェ!!ほんなん。まねしてどうするんよぉ。

泰三・北海道まで行って何を見よんじょぉ。

航・視察やろう。観光地の・・・。

哲也・おぉ。ええこと言う。航は。視察じょぉ。
これ見てみぃ。素晴らしいやろ。(熊の彫り物を見せる哲也)
伝統的熊木彫りよぉ。くわえた鮭まで丁寧に彫ってぇ。

泰三・ホナ。ウェルカメ人形も鮭くわえるかあ。
ありえんわ。と言い、全員で大笑いするのであった。

波・母さん楽しかった?

加代・うん。ホンマにぃ。二十年ぶりじょぉ旅なんかあ。いのちの
洗濯させてもうたよぉ。と波美に頭を下げる加代。
よかったという波美。

哲也・ほうやあ。母さんな。何食べても、何見てもはしゃいで、
はしゃいでぇ。旅館でもなあ。なんやいきなり仲居さん手伝った
りするけん。もうハラハラするわぁ。

加代・ほんだってお膳が重そうやったけん。

波・手伝ったん?泊まった所でぇ。もう貧乏性やなああ。

哲也・ホンマやわ。と波美と笑い会う。

加代・ほんだけんど、びっくったでぇ。あんたが来とるとはあ。
ほんだって帰ったら一番であんたんとこ連絡しよう思うとった
んやもん。

波・ちょっとこっちで用があってな。
加代・用?加代と哲也はちょっと不安そうな顔になる。

波・美波町の道の駅の駅長さんが、こないだアルデに来てな。
発心読みたい言うてくれたけん。バックナンバー持ってったんよ。
ほしたらな。バス待つ人らに読めるように置いてくれるって。

加代・えっ。発心を・・・。うんという波美。

泰三・ほら良かったなあ。

波・昔のもんでも読んでもらえる事に越した事ないけん。
みんなはうんと頷く。

波・編集長からようけ預かっとって良かったわあ。

航・なんや会社潰れてから営業かあ。

波・ほやなあ。と笑う波美。

哲也・あの人なあ。この間来た駅長さんでな。この町の人や
ないけんど、そうかあ。気さくに話してくれたか。

波・うん。父さんは知り合いなん?

哲也・おぉ。逢うたら挨拶はするわあ。

波・うちははじめて会うたけんど、あんな駅長さんがおるなんて
知らんかったでぇ。

加代・へえ。どういう人なん。

波・人生は旅みたいなもんやて、行ったとこが居場所やあ言うて。
ほうやって全国各地を転々としてこられたらしくて。
哲也と加代はほぉぉと興味を持つ。

泰三・ほういう人こそ土地の良さを地元の人間よりもよう知って
おられるんじゃ。ほうかなあ。という波美。うんと頷く泰三。

波・いや。苦労もされとうみたいなんやけど、明るうて穏やか
やし。

哲也・ほういうたらいつも笑顔やわあ。ふううんという加代。

波・あんな。でっ。あそこバイトあるらしいんやわぁ。

加代・えっ?何処に?

波・ほやけん。路の駅。

加代・へええ。えぇ!!!

波・なんやワカランけんど、あの駅長さんにめちゃ興味
持ってしもうて・・・。へええ。という哲也。
あの駅長さんの言葉を聞いてると、路の駅は発心の兄弟のように
思えるの。うん。と一人頷いている。

泰三・ほれから評判はええでぇ。

加代・ほやけんどバイトって・・。美波町じぇぇ。あんたが
こっから出て行こう思ったとこじぇぇ。

波・ほうやなあ。勿論世界につながる夢は諦めてないでぇ。
けど。その前に、する事があるって。ゾメキの三年間でよう
分ったんよぉ。

加代・その前にする事?

哲也・なんよ。ほれは?

波・うちがホンマにしたかった事って、その。人につながる事
やったんやって思う。ホンマにようけの人に出会う事やったんや
って思う。ふうん。と頷く加代。
ほれがいつか世界にもつながる。うんと頷く波美。
路の駅にもなほういう出会いがようけあるように思うんよ。

哲也・ほうかあ。

泰三・けど編集者と違うでぇ。

波・勿論。ほやけん。うんという泰三。次の仕事が決まるまでの
バイトとしてやけんど、実はな。うちが勝乃新に駅長さんの話を
した時に言うてくれたんよ。うちが久しぶりに笑ったって・・・。

ほうかあ。と言って互いの顔を見合わせる、加代と哲也。

汽車に乗れば一時間半座ってこれるし、帰りには、母さんたちの
顔も、綾たちの顔もしょっちゅう見れるし。うん。案外ええかも・・。

加代・本気なん?

波・うん。ちゃんと勝乃新に相談してみる。

哲也は店で商品を眺めていた。そこへ加代が入ってくる。

加代・なあ。どう思うあんた?ふん?という哲也。

哲也・波美のバイトの事かあ。

加代・うん。あんたが厳しい事言うたけん。頑張っとるけど、
波美もホンマは再就職厳しいんとちゃうだろうか。
ああして元気なふりしとるけど、色々ホンマは迷うとんと
ちゃう?

哲也・ホンマやなあ。

加代・美波町でバイトするなんて、ほしたらいっその事、その間
ここに住んでもらおうか?

哲也・阿呆ぬかせぇ。何甘い事言うとんじぇ。いっぺん巣立った
娘じゃ。ほれにな。加代。大体亭主の勝乃新に一時間半かけて
大学行け言うんかあ。ふううんという加代。
波美が考え出した事じゃわ。波美が頑張らな。ここは・・・。

加代・まあ。ほやねえ。

美波町から徳島市内に戻った波美は勝乃新のバイト先のアルデ
を訪ねていた。
バイトをしている勝乃新に今の決意を伝えたくてきたであった。

勝・そうかあ。バイトあったんかあ。

波・うちなんやあそこに行ってみたいんよぉ。
ええやなかあ。という勝乃新。うんと頷く波美。

マスター・いいんじゃないのぉ。と走り寄ってくる。
マスターという波美。
吉野はんが巣立った時も、ホンマに急やったんよぉ。急に安い
物件が見つかって、事務所借りられる言うてぇ、ささーーと
いなくなったのよぉ。

波・ご迷惑じゃないですか?

マスター・うううん。ちょうど良かったんよぉ。新しいバイトの
お嬢さんが、見つかりそうでねえ。一人くらい器用なバイト置か
んと、困る思うて・・・。えっ?という波美。
あんたを首にせんで済んで良かったぁ。

勝・ウワーーー。そういう事やて・・・。

マスター・そうよ。物分りいいでしょ。

勝・あのそれはね。物分りいいませんや。

そして勝乃新の許可も得て、アルデにもきちんとした形で辞めた
波美は、路の駅の吾妻へ連絡を入れるのだった。

波・あっ。あの。吾妻さんですか?あの、先日お邪魔した山田
です。

吾妻・どうも。ありがとう。えええぇ。あの発心ねぇ。バス待って
いるお客さん喜んで読んでます。ほうですか。良かったです。と
喜ぶ波美。

波・あのほれで、バイトの件ホンマにお願いしても良いんで
しょうか?

吾妻・ええ。良いですよぉ。ていうかあ。こちらこそ本当に
良いんですか?

波・はい。よろしくお願いします。とお辞儀する波美。

吾妻・はい。お待ちしてます。

波・ありがとうございます。と電話を切る波美。

勝乃新にピースサインをする波美。微笑みいっぱいの顔であった。

こうして美波町の道の駅に勤める事になった波美。出勤の日を
迎えていた。吾妻と波美が施設を廻っている。

吾妻・ここは、観光案内の受付コーナーだよ。もう。最初に訪れた
人の窓口にもなっています。地元の人たちの物産を預かったりする。
はいと答える波美。

吾妻・じゃあ次に事務所に行きますか。とそこへ町の人:草木宏之
が来る。

町の人・あーーー駅長さんちょうど良かった。あんな。今度うちの
店でこさえる事になったクッキーなんじょぉ。ここに置いてもらえ
るかどうか検討してみてくれへんか?

吾妻・ほぉ。美味しそうだなあ。

町の人・ほうやろ。

吾妻・じゃあ預かります。

町の人・あれっ。浜本さんとこの・・・。と波美を見て言う。

はい。波美です。

町の人・えええ。何?あんたここで働いとん?

波・ちょっとバイトを・・。よろしくお願いします。とお辞儀する

そして事務所に行った波美は、吾妻が見せてくれる、路の駅 美波
のホームページを見ている。

波・へえ。このページでもしっかりとした品揃えなんですねえ。
うん頷く吾妻。ページの説明をする吾妻。そして道の駅 ブログを
見せる吾妻。

吾妻・スタッフが順番で細々と日記を書いてはいるんだが、なん
ちゅう苦手でねえ。どうだろ。今日から、山田さんが毎日書いてみて
くれないかなあ。はいと答える波美。

商品に値札シールを貼り付けている波美。ブログの更新もしている。

大学院に残っている勝乃新に電話を入れる波美。

波・今日は地元の野菜を買うて帰るけん。シチューでも作るわ。

勝・それ一石二鳥やわ。ほうよぉ。という波美。
なら僕もなるべく早う帰れるようにするわ。

波・うちは九時過ぎてしまうけどなあ。

勝・こっちも遅うなるさかい。じゃあ。頑張りぃ。

波・うん。あんたも研究頑張りぃ。

ここで研究室の人から邪魔が入る。勝乃新は電話を切ってしまう。
笑っている波美だった。

窓口に、原田千鶴子:宮川サキと立って客の応対をしている波美。

そこへ二人連れのお遍路さんが窓口にやってくる。
お遍路1:中西弘子と、お遍路2:末永直美である。
美波町の案内図をもらいに来る。

お遍路・これもらっていいですか?と案内図を手にして言う。

波・はいどうぞ、おもちになってください。

お遍路・ウミガメ館に寄ったら浜辺へはどう出るんでしょう?

波・ウミガメ館は浜辺のまん前になるんですぐにお分かりになると
思いますよ。

ほうですかありがとうございますといって出て行くお遍路。
入れ替わりに咲江:路井恵美子が窓口にやってくる。

千鶴子・さすがやねえ。波美ちゃん徳島の出版社で鍛えとるだけあって
たいした応対じゃわ。

波・こんにちはいらっしゃませ。

咲江・もう、びっくりしたわあ。ほこの角曲がったとこでじゅんぺい
さんに逢うた思うたら、もうお嫁さんが東京で、赤ちゃん産んだ
とか言うでーだあ。

何かさっぱり分らない波美は愛想笑いをしている。

咲江・この間は、下の息子さんが怪我したとか言うとったけど、なんやら
行ったり来たりで、もう忙しいてお茶も飲む暇がないけんなあ。

千鶴子が話の対応をする。さっぱり分らない波美に気がつく千鶴子。

千鶴子・あーー咲江さん言うんよお。シールでしょ。
えっ?という波美。
千鶴子・シール!!佃煮卸してくれとるんよぉ。値段シールとりに
いらっしゃたんよ。

波・これえ。これですか。と聞く波美。

千鶴子・そうよぉ。
波美は咲江にシールを渡す。どうもありがとうねという咲江。
その時別の人から呼ばれて、千鶴子が他にいってしまう。

一人になった波美。しかし、咲江は話好きのようで続けて他の
話を波美にする。
さっぱり勝手の分らぬ波美はきょとんとしてその話を聞いている
のであった。

(なんやらしかし、今までと勝手が違うようで
ございます:ナレ:三枝)


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さて新しい職場に変わった波美。吾妻の人柄に触れて興味を
持った波美はこの美波町の道の駅でどう変わっていくのでしょう。
来週が楽しみですねえ。