作詞:たけぼんだぬき


何気ない 暮らしの中に

幸せがあるなんて

思ってもいなかった

当たり前に過ごしてきた

毎日の過ぎ去る時間


時は止まらずに 進んでゆく

そんな日々が過ぎていった


ある日を境に その時計は

針の動きを止め 鼓動を止めた


それと同時に あなたとの

幸せな時間も止まる

悲しさよりも 切なさよりも

何もない 日々の暮らし


暮らしとは言えない

全てを無くした 無の時間

そして 僕は 一人ぽっちに

なった・・・


夜は 酒を 煽り

酒を買うために 働いた


友人の 気を使う言葉さえも

どこか他所の世界で

啼いている 鳥の声に聞こえて

孤独の中にいた

無音の 静寂と 闇の世界が

俺の胸を締め付けた


それ以来 一人でいる事に

何の不安も感じなくなってゆく

ただ酒を煽らないと眠れぬ

ようになっていった


結局酒に逃げているのだと

気づくのに 長い月日が

必要だった


空虚 その言葉が相応しい

あなたと暮らした 楽しい日々だけが

俺の胸を 苛んでいた


終わりなき 空虚の世界

苦しむだけ 苦しんで

抜け出せない闇・・・


俺は その闇を 睨み吸えて

自分を 生きてゆくと決めるまで

何年もの月日が必要だった


なんと長い年月が過ぎたことだろう

何度自殺を考えた事だろう


不思議に死ぬ間際になると

君が僕の前に現れる


そして 俺を引き止める

車で 岸壁から 飛び込もうと

した事もある

その時も

わずか 数センチで車がエンスト

動かなくなった


死ぬなと叫ぶ君の声が

頭の中で 響き渡った

そしてもう二度と

その車は動く事を止めた


朝まで 知らない間に

眠っていた

翌朝 太陽の光りに

目を覚ます


もう帰ろうと思って

キーを廻すと エンジンが

軽快に動き出す


昨夜のあれは 何だったんだ

やっぱり 君が引きとめたんだ

そう思った・・・


それ以来 死ぬ事は諦めた

無様でも 醜態を晒しても

生きてゆく・・・

そう決めた

君が救った 俺のいのち

最後まで 生きてやると決めたんだ


だからそれから怖いものはなくなった

毎日を生き切る事に 腹を決めたから


今でもこうして醜態を晒して生きている

そしてこれからも 最期の日を迎えるまで

生き抜いてゆくと 誓っている


今日も あの夕日が沈む

真っ赤に燃えて 輝く夕日が

夜の入り口に入る前の 輝きの時が

今 過ぎていこうとしている

そして 俺は 今を生きている・・・



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読んでくれて


ありがとう


m(__)m





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