三和 導代 です。
昨日以来、スエズ運河での日本の会社が所有する船の座礁のニュースが流れています。スエズ運河とパナマ運河は世界の海の海上航路の要となっています。一日にどれだけの大型船が運航することか。中国からオランダに向かう大型コンテナーが座礁し、後続の船が通過できないことから、今大問題となっています。
このスエズ運河の通行料の収入はエジプト政府にとっては大変大きな財政源であることはもちろんです。今はクルーズ船が新型コロナウイルスによって航行が止まっていますが、スエズ運河やパナマ運河クルーズは大変に人気のある商品でした。
そしてこの座礁の原因が砂嵐というのはとても納得がいくものです。この3月はまさにアフリカ・サハラ砂漠での砂嵐の時期です。3月は気候は穏やかで過ごしやすい時期ではありますが、毎年毎年このシーズンは砂嵐がやってきます。
私も何度か砂嵐の経験がありますが、この時は外にいることは不可能です。前方の視界は閉ざされ、目を開けることもできない状態となります。私はアルジェリアのサハラ砂漠で砂嵐に遭遇したことがあります。テント生活でしたが、テントからは一歩も出られない状態です。ファースナーを開ければ強風で砂が入ってきますし。夕食時もテントから出ることもできず、夕食を何とか一つ一つのテントに必死の思いで配った記憶があります。もちろん食事は砂入りのじゃりじゃりの食事だったと思います。しかし「腹が空いては戦はできず」ですから、必死に運びました。翌朝は、テントは半分崩壊している姿を見て、飛ばされないでよかったと安堵しました。
このサハラ砂漠に住んでいる人々は一生の間にどれだけの砂を食べることになるのでしょうか。以前マリ共和国に度々訪れておりましたが、特にサハラ砂漠のトゥンブクトゥに行った際には、砂嵐ではありませんでしたが、明らかに砂混じりのお料理が出てきたこともありました。今となりましてはもう治安の問題でトゥンブクトゥに行くことはできませんが、とても懐かしい思い出です。
さてスエズ運河ですが、ここは以前、エジプトの首都のカイロからシナイ半島にバスで移動する際に度々スエズ運河の下を通過しました。バスから降りでスエズ運河を眺めることはできましたが、想像以上に狭い運河であったことを覚えています。もちろん撮影は禁止でしたが。ここも今ではシナイ半島も治安が安定せず、未だにシナイ半島のシナイ山への登頂が不可能となっています。
現在、世界中での新型コロナの影響で人々の行き来がなくなっている反面、海外での物流量が増大し、海外からの物資が滞っているところに輪をかけての座礁でした。写真を見ましても巨大なコンテナーです。昨年の7月にはモーリシャス沖でも日本の貨物船が座礁し、燃料油1000トンが海に流出、モーリシャス史上最悪の環境災害となってしまったことが思い出されます。
今回は地球の自然破壊問題とは別ですが、自然現象である砂嵐が原因で大型貨物船が座礁するというのは、砂嵐に慣れない人々の舵取り判断ではなかったか、改めて砂嵐という自然現象の厳しさを痛感した思いです。