三和 導代 です。
今日は5月3日、憲法記念日です。私の実父の命日です。平成21年の5月3日の早朝に他界しました。ガンでした。74歳でした。昭和10年2月11日生まれ、そう建国記念日がお誕生日でした。そして命日が憲法記念日という父でした。
今日は久々に1人でお墓参りに行きました。好天に恵まれ、目の前の桜の木は青葉と変わり、連休のお昼時のひと時をお墓で過ごしました。もちろんお墓の中に父はいないのは十分わかっています。でも父に心より感謝の気持ちを伝えたかったのです。
墓石の前に靴を脱いで正座して父と語りました。暖かな日差しの中、誰一人としていない空間は至福の時間でした。
亡くなる前日は既に意識はない病院のベッドでしたが、十分に私の気持ちを伝えることが出来ましたので全くの後悔はありませんでした。そう、病人は意識がなくても全てお見通し、分かっているのです。父の亡くなる前日はもう時が迫っていることはわかっていました。個室の病室で声を出して御礼を伝えることができました。そして今日は10年が経過しました。
死者と語るにはお墓である必要はないかとは思いますが、意識を集中して語れる空間がお墓かもしれません。つまり残された人間にとって重要な場所です。
父は現在の私の活動の根元である教育にお金と時間を決して惜しまなかった人でした。それは父自身が祖父がガンで急死したために家業を継ぐために名門高校を中退せざる得ず、将来の新聞記者の夢を叶えることが出来なかったことに発するのです。
そう、娘の私には子供の頃から私が望むあらゆる教育を与えてくれました。父は商売で成功しましたが、でもははり若き頃の夢を断念しなくてなならなかったことは生涯の無念さがあったのかと思います。そんなこともあり私は子供の頃から自由きままに育てられ、勉強したいことは何でも父がかなえてくれたのです。そして私が進む人生を決して否定せず、進ませてくれたのです。
そんな父の元で育った私は幸せでした。今日はお墓の前で靴を脱いで座って、父が好きだった日本酒を一緒に飲みました。私のお酒好きは父譲りです。お父さん、本当にありがとう。