今回は、多崎礼さんの『煌夜祭』を読んでみました。
多崎礼さんと言えば、『レーエンデ国物語』。
本屋大賞の候補にもなっています(2024年3月12日現在)。
私も昨年から、SNSでお見掛けして気になってはいました。
けれども、『レーエンデ国物語』はかなりの長編。
しかも、初めて読む作家さんなので、合うのか心配…。
何か別のものから読みたい…
と思っているところで、デビュー作品の『煌夜祭』も面白いという投稿を拝見しましたので、読んでみました!
事前情報一切なし!
どんな作家さんで、どんな物語なのか…
それでは、あらすじと詳しい感想をどうぞ!
あらすじ
十八諸島が浮かぶこの国では、語り部という島々の物語を集め語り継ぐ者たちがいた。そして、冬至の夜、島の人々は魔物から身を守るために、家にこもる。そして、語り部たちは、炎を囲み、夜通し物語を語っていく…。そして、今宵、人と魔物の美しくも儚い、残酷な話が語られていく…
あなたはこの物語を読み終わった後、何を思いますか?
私は、そこまで期待していませんでした…
けれども、ファンタジー小説で!しかも、この厚さで!!
こんなにも濃縮された物語が繰り広げられるなんて、正直予想外でした!
正直、『レーエンデ国物語』も期待しちゃうくらいの没入感と読後感がありました。
ファンタジーと言っても、わりとダークファンタジー寄りかもしれません。
個人的にファンタジーというと、やはり
・その世界に没入できるか?
・何か心に残ること、言葉、考え方等があるのか?
が評価基準になるのですが、もうオールクリアでした。
内容は、あらすじの通り、語り部という人たちが島々で物語を集め、冬至の夜、それを持ち寄り夜通し語り合うという物語なのですが…
この持ち寄られる物語がすごいのです。
あんまり言うと、ネタバレになるから言えない…のが本当に悔しいです。
少し言うのであれば、語られる物語は一見、別の島々の話なのですが、どんどんこの話達が…という感じです。
(めっちゃ、ネタバレかもしれないですね…)
仕掛けもさることながら、物語の内容。
これも、個々で見ても、かなり胸に来るものがあります。
人間の愚かさ、醜さもあれば、人間の優しさ、愛なんかも描かれていて、その対比に心を揺り動かされるのです。
「なんで人間って…」
何度思ったことでしょう。
何度恥ずかしく思ったでしょう…。
その世界の住人になったくらい、没入してしまいます。
なんとなく選んだ『煌夜祭』でしたが、何度も読み返したくなるほど大満足です!
『レーエンデ国物語』買ってみようかと思います!
そして、もしまだ『煌夜祭』を読んでいないのなら、ぜひとも読んでみてくださいな!