今回は、知念実希人さんの『天久鷹央の推理カルテ 完全版』を読んでみました。
前々から、X(旧Twitter)でお見掛けしていて気になっていた作品の1つ。
出版社が変わり、完全版として再刊行されていました。
今回試しに購入です!
今作では下記気にしながら読んでみました。
・シリーズものということで、次回作を買いたくなるのか?
・キャラ文芸の医療ミステリーは、読み応えあるのか?
それでは、あらすじと詳しい感想をどうぞ!
あらすじ
天医会総合病院には、部の垣根を超えて病気を診断する統括診断部がある。その部長を務める天久鷹央は圧倒的な知識量と記憶力を合わせ持つ、天才。謎と聞くと興味が湧く天久鷹央は、今日も診断のつかない病気や、ちょっとした事件の相談の解決に動いていく…
侮ることなかれ!現役医師の描く医療ミステリーはやっぱり…
キャラ文芸ということもあり、キャラクター一人一人の個性が強く親しみも感じるので、登場人物は覚えやすい。
連作短編集ということもあるだろうが、テンポが良い。
スイスイ読めるけど、満足感がある。
そして何より現役医師が作者なので、キャラ文芸とは思えないほどの踏み込んだ医療ミステリーになっていると思う。
これがけっこう絶妙なライン。
重くなりすぎない、けれども医療現場とあってシビアな現実も描かれている。
すごく絶妙な世界観で、「あ~、医者だからこそ書ける視点なのだろうな」と心から思った。
なぜ、私がそう感じたのか?
というのも、
今作品は4作の連作短編+エピローグという構成。
前半の2話はどちらかというと、このシリーズの主要人物たちのキャラを掴む、状況を掴むというのに適した話が続き、あれ?医療ミステリーとは言え、キャラ文芸だからこんなものか?と思ってしまうのです。
ところが!後半の2話で一気に医療ミステリーをぶち込んでくる。
これが、適度にシビアな現実を目の当たりにされるので、前半の2話と比べ重量感がエグイのです。
(ちらっと触れると、【未成年の妊娠】と【原因不明の子どもの病の正体】)
この後半の2話は、実際に医療現場にいて、たくさんの病気とたくさんの患者やご家族を見てきた現役医師だからこそ、書くことができた作品だなと。
作者の医者はどうあるべきか…というのも少し垣間見ることができるのもこの作品ならではと思います。
そして、大きな病院あるあるの権力闘争もあるので、ここらへんもどうなっていくのか気になるポイントであります。
ということで、
・シリーズものということで、次回作を買いたくなるのか?
・キャラ文芸の医療ミステリーは、読み応えあるのか?
という気になるポイントは、こうなりました!
・シリーズものということで、次回作を買いたくなるのか?
→読みたくなる!どんな医療ミステリーがぶち込まれるのか見たい!
・キャラ文芸の医療ミステリーは、読み応えあるのか?
→現役医師が書いてるため、シビアな面も適度に織り交ぜ本格的な内容。
けれども、テンポよくスイスイ読めるので、万人受けすると感じました。
もし、気になっているけどまだ読んでいない…
というのなら、ぜひとも1巻だけでも読んでみてください!