今回は、湊かなえさんの『告白』を読んでみました。
「この小説は、衝撃だった…」という声をたくさん聞いたので、興味が湧きました…!
読んだ後、私は「え?」と驚いて、思わず再読したことをご報告させていただきます。
それでは、あらすじと詳しい感想をどうぞ!
あらすじ
「娘は、このクラスの生徒に殺されたのです。」娘を亡くした担任教師からの告白に、教室が息を飲む。淡々と語られる事実に、衝撃を隠せない。クラス委員長、犯人A、犯人Aの家族、犯人Bが語るそれぞれの真実を、あなたは見極められるか…
ひとつの事実に、たくさんの真実がある。そして、嘘もある意味…。
衝撃的な一冊と呼ばれるのも、納得です。
この『告白』を読んで、事実と真実にあまりにも乖離があって放心しました。
この『告白』を読むにあたって、真実の中にある嘘をどれだけ見抜けるかで作品の印象が変わってくるのかなとも感じました。
正直、私はバカ正直に読み、その通りに受け取ってしまいました。
あとがきで、“それぞれの告白には、嘘がある”ということを知り、私は愕然としました。
なぜ、その人が発した言葉を一ミリも疑わなかったのか…?
読み返すと、私なりに感じた矛盾点がいくつかありました
。
一つ見つけるたびに、心臓がドキドキしたのを覚えています。
「事実と真実」
この言葉が、頭から離れなくなりました。
『告白』という作品に、改めてゾッとしました。
『告白』を読んで恐ろしいと感じた2つのこと
1つ目は…
誰もその人が考えていることや、その人の本質を理解できないという事実。
分かり合うことすら、実際は難しいのかもしれない…。
それが例え、家族でも…。
絶望を感じますね。
同じ事実に対して、それぞれの真実の差が激しすぎる。
その落差が悲劇を生む時がある。
そして、その悲劇から自分を守ろうと、あらゆる嘘が飛び出す。
あらゆる真実がまた飛び交う。
救いようがない。
心がズキズキと痛みます。
実際、『告白』でも人が死んでいるのに、クラス委員長、犯人A、犯人Aの家族、犯人Bは自分のことばかり。
自分の不幸をあげつらって、罪を正当化しようとしている。
それはしょうがないね…と同情してもらえると思って嘘をついているのかもしれないと思うと、怖い。
正気じゃない。
でも、同時に思うのだ…
怖いと感じてるうちは、私はまともなのかもしれないと。
2つ目は…
人は常に危ないライン上に立ち続けていて、ちょっとした出来事や言葉で過ちを犯してしまうのかもしれない…
ということです。
お前も、こっちの人間(犯罪を犯してしまう)になってしまうのだ。
お前も…と何か喉元に刃物を突きつけられた感覚。
人はギリギリのラインで生きているのだ。
私も自覚はなくとも、いつもギリギリのラインで生きているのかもしれない…。
恐ろしい…。
衝撃的な一冊と呼ばれる『告白』、あなたはどんな感想をお持ちでしょうか?
もし、まだ読んでないのなら、一度読んでみることをおすすめします。