岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように』
【注意】今までのほっこりタレーランに慣れている人は心して…
【注意】今までのほっこりタレーランに慣れている人は心して…
今回も長編モノ。
そして、恋愛要素が色濃く出ている作品です。
今までの恋愛でありませんか?
自分の気持ちと相手の気持ちがイコールになるなんてことありえないとわかっていても、報われない現実に呆然としてしまう。
本当に悲しくなりますよね?
1~4巻目まで、美星さんとアオヤマの純粋で少しずつ進展する恋模様を見ていたからこそ、このギャップにやれらた読者は多いと思います。
誰のせいでもないのに、上手くいかない。
誰のせいでもないのに、自分のせいと思い必要以上にダメージを受ける。
今作、京都の地を活かした『源氏物語』も関係してきます。
『源氏物語』も数々の恋愛話が繰り広げられますよね。
今作、登場する眞子さんも『源氏物語』が好きで、この『源氏物語』が鍵を握ります。
サブタイトルの『この鴛鴦茶がおいしくなりますように』に、作者はどんな思いを込めたのだろうか?
作中、鴛鴦茶は紅茶と珈琲を混ぜたもので、バランスがうまくかみ合わないと本当にまずいものになってしまうとある。
けれども、この紅茶と珈琲の比率が良い時は、とても美味しい。
結婚や恋愛もそうなのだろうか。
かみ合う時は、すごくうまくいき甘いものとなる。
けれども、かみ合わない時は決して受け入れられるものではない。
読後、やるせない気持ちとちょっとした苦さを感じました。
全ての人がベストカップルとなり、幸せになれたらいいのに…