岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿3 心を乱すブレンドは』
この大会で何が起きているのか、あなたにわかりますか?
この大会で何が起きているのか?
初見で、すべて読み取れる人はいるのだろうか?
まず、正直に言います。
これまでと違います。
今までは1話完結短編集みたいなものだったのですが、今作は大会を舞台としているからか長編もの。
そして、何よりこんなにも犯人に対して、悲しい気持ちになるとは…。
でも、ミステリーは今までにないくらい練られてる感じはあります。
特に、さりげないプロローグにちょっとしたからくりが仕掛けられていて、最後回収された時は鳥肌がたつくらいでした。
最初から、ガンガン仕込まれてるのがたまらない。
山村あすかさんと美星さん、バリスタを目指すスタート地点では2人も目指すものは一緒だったはず。
でも、顕著なくらい今2人のいる場所が違う。
最後、どんな高度な技術や専門知識があったとしても、「美味しい珈琲をお客さんに飲んでもらいたい」という気持ちが何よりも大事。
それがないと、バリスタと名乗ってはいけないんじゃないかと思いました。
気持ちって、何よりも先に出るものなんだなと。