岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』
ついに出た!京都×珈琲ミステリー
京都って不思議な魅力があって、つい京都が舞台の小説を買ってしまいがちです。
そんな私が出会ってしまいました。
京都×珈琲ミステリーの小説。
人が死なない、1話完結の日常ミステリーです。
友達と会話しているくらいの軽い感覚で、話全体が軽やかに流れていくから、かなりテンポが良い!
正直、読書初心者でも読みやすいです。
けれども、ミステリーはかなり秀逸だと思います!
小説の舞台は、京都。
彼女と喧嘩した主人公が、たまたま見つけた珈琲店で『理想の一杯』に出会えたことから始まります。
珈琲や京都にまつわるミステリーは、なぜか心が惹かれますよね。
ミステリーのトリックはちょっとした言葉の違いや受け取り方の違いなど、単純なのに「うわっ、そーいうことか!」と驚くことばかり。
なぜ、こんな簡単なことに気付かないんだと。
出てくるキャラクターも個性豊かで、とても愛らしくなる。
ショートカットで可愛らしいバリスタ・切間美星、タレーランのオーナーである昼寝ばかりしているおじいちゃん(藻川又次)。
登場人物もシンプルなのだが、読めば読むほど愛着が涌いてくる。
特に、おじいちゃんはマスコットキャラクター感がじわじわ。
また、主人公・アオヤマとタレーランのバリスタである切間美星の関係性も事件解決を重ねるにつれて変化していくので、この恋がどう発展していくのか、にやにや楽しめるのもこの作品の醍醐味。
そして、すべて解決と思っていたら、思わぬ謎解き爆弾が投下されるから、最後の最後までほんと驚きと楽しみの連続。
次作もアオヤマと切間美星がどうなるのか…きっと気になると思います。