大人になれば持病は誰でも持つものです。ええそうです。
オトナ女子の私ですら、腰痛膝痛頭痛のスリーアウト持ち、しかも現在進行形で卵巣に腫瘍があります。幸い良性なので経過観察なのですが、それでも不健康を名乗れるだけのフィジカルではあると思います。
……しかし。
もしこの腫瘍が、悪性だったら?
私はたまたま良性だったので今もこんな感じでだらだらしているのですが、これがまた悪性だったら、こんな風にはいられないでしょう。
進行していくガン。
迫り来る余命。
終わってしまいそうになる人生。
今まで生きてきた意味の喪失。
今回ご紹介する本は、その恐怖と戦った人たちを間近で診て聴いてきたお医者さんの話です。
「もしも一年後、この世にいないとしたら」
表紙にあるようにたくさんのガン患者と向き合い、時には看取ってきた著者の本です。
著者は繰り返しこう強調します。
「普通の生活ができることは当たり前ではない」
「健康は永遠には続かない」
「今日健康で1日を過ごせることはありがたいこと」
死はいつ私たちにやってくるかわからない。
それはガンかもしれないし、事故に遭ってしまうかもしれないし、突然血管が詰まって突然死してしまうかもしれない。事件に巻き込まれるかもしれない。ダーウィン賞を受賞するような不名誉ある死を遂げることに……なんてこともあるかもしれません。
私たちはいつ死ぬかわからないとなると、今から私たちは何をするべきなのでしょう。
あまり好きじゃない上司と行きたくもない飲み会に出かける? SNSでキラキラした生活をしているセレブにイライラを募らせる? 惰性で付き合っているママ友と腹の探り合いをする?
興味のあったけど今までやらなかったことにチャレンジしてみる? 大切で大好きな家族と温かいご飯を食べる? グーグルアースでしか見たことがなかった憧れの地へ、バックパック片手に突入してみる?
どうせいつか死んじゃうのなら、たまには自分の心のおもむくまま行動してみてはいかがでしょうか。
死んだ後の自分のことを心配するのならば、
なんで生まれてくる前の自分のことを心配しないんだ?
by アーヴィン・D・ヤーロム(アメリカの精神科医)
自分がいない世界なのは死んだ後も生まれる前も一緒のこと。
もしかして、そんな極端に恐れることはないかもしれませんね!
<概要>
国立がん研究センターで、がん患者さん3500人以上の方の話を聞いてきた精神科医が
今、生きづらさを感じているすべての人に伝えたいこと。
人生の締切を意識すると、明日が変わる。
「もしも1年後、この世にいないとしたら――」
そう想像したとき、今やろうとしていることを変わらずに続けますか。
それとももっと別のやりたいことをやりますか。