みんな大好きジブリ

今までジブリが嫌いっていう人に会ったことないんですが、みなさんはジブリ大好きですか?

もちろん私は大好きです!一番好きなのはやっぱり「千と千尋の神隠し」。生れてはじめてポケモン以外で劇場版に足を運んだ作品でもあり、リアルタイムで千尋と同い年だったので、思い出もひとしおです。

あとは、とある有名絵師様の影響でハク千にドはまりしたのも大きいです。何回も見るうちに、本当にハク様がかっこよく見えてくるんですよね。もちろん人間の姿のハク様も、本来の姿のハク様もかっこいいです。

そして大人になると、カオナシが他人事ではなくなってくるんですよね……悲しきコミュ障……わかるぞ……会話の始めに「アッ」って言っちゃうんだよね……わかりみ……

でもでも大丈夫!カオナシだってラストはしっかり社会復帰したんだから!我々の未来だって明るいぞ!

 

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待て待て。今回はコミュ障の嘆きを愚痴りにきたわけではないのです。

ひっさびさの書籍紹介になります。今回ご紹介する書籍はこちら、鈴木敏夫さんで「読書道楽」です!

 

 

こちらは鈴木敏夫さんがインタビューに答えたものを書籍化したものです。ハードカバー一冊まるまる分のインタビューなんて、贅沢というか、インタビューする方もされる方も大変だっただろうなあ、とか考えちゃいますね。

 

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さて、もはや説明不要かとは思いますが、鈴木敏夫さんとはいったいどんな人物なのか。

ええ、このお名前を聞いたことのない日本人はいないのではと思われるほどの有名人ですもの、わざわざここで言うことでもないのですが、改めてご紹介します。

 

鈴木敏夫さんは宮崎駿さんとともにジブリの伝説的存在であり、ジブリのほぼすべての作品にてプロデューサーを勤めたとんでもねえお人です。ようするに日本を代表するヒットメーカーです。アニメ映画のトップに君臨するお人です。

 

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と、鈴木さんの紹介はここまでにしておいて。

この本では鈴木さんの今までの読書遍歴が津々浦々に書かれていて、どのページも興味深く面白いのですが、今回は鈴木さんの幼少期にスポットライトを当てようと思います。

 

敗戦直後のまだまだ貧しかった日本にて。今でいうアパレル会社の社長の息子だった鈴木少年は、親の仕事場の隅っこで漫画にどっぷり浸かった生活を送っていました。それだけでなく、周りの友達も招いて一緒に読でもいたそうです。読んでいたのは「週刊少年キング」や「週刊少年マガジン」、「週刊少年サンデー」などなど、当時の子供たちを魅了した少年漫画たちでした。

きっとこの体験があったからこそ、鈴木さんは子供にも愛されるアニメ映画を作ることができたのでしょうね。

 

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そんな鈴木さんにとって、漫画とはどのような文化なのでしょう。

一般的にサブカルと言われがちな漫画ですが、いわゆる「クールジャパン」が台頭してきたあたりから、漫画やアニメはサブカルの枠ではおさまらないほどの影響力を持つようになりました。

例えば、どこで聞いたかは忘れましたが、刀剣乱舞などはジャニーズのあるグループと同じくらいの経済効果を生み出しているともいわれています。刀剣乱舞だけでこれなんですから、アニメや漫画全体で動くお金はウン億なんてモンじゃないでしょう。影響力だけでは立派なメインカルチャーです。

 

そんな漫画が誕生していた時代を生きた鈴木さんは、漫画黎明期の役割について、こう語ります。

 

カウンターカルチャーである。

 

ようするに俗っぽい言い方をすれば、メインカルチャーへの「アンチ」として漫画は読まれていたと鈴木さんは言います。

その理由は、当時の時代背景が挙げられます。

 

鈴木さんの子供時代は、まさに敗戦直後の混乱期でした。昨日までやれ「大日本帝国万歳」だなんて言っていた大人たちが、ある日突然アメリカの言いなりになっているわけです。

それを見た子供たちは、すっかり大人への信頼を失ってしまいました。

そんな中で生まれたのが、漫画だったのです。

このころの漫画家というのは十六歳あたりの非常に若い人が多く、例外は手塚治虫くらいだったそうです。そんな彼らの手によって描かれた漫画は「子供が大人を圧倒する」作品であり、そのストーリーに子供たちは熱狂しました。

大人は信用できないんだから、自分がしっかりしないといけない。

子供だって、大人の代わりを務められる。だって大人は無力だから。

 

そういうわけで、漫画というのは本来大人に対するカウンターカルチャーであった、と鈴木さんはおっしゃるわけですね。

 

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と、鈴木さんによる漫画論はこのあたりにして、ここからは私が個人的に感銘を受けた部分をご紹介します。

 

人生、好きなことが三つあったほうがいいって。

で、その好きなことは仕事にしないほうがいい。

 

これは鈴木さんがどなたかから聞いたものだそうです。

人は仕事を生きがいにしてはいけないし、仕事以外に没頭できるものは少なくとも三つは必要なのです。

どうでしょう。仕事以外に好きなことは三つありますか?

私も改めて考えいましたが、なかなかに難しいものです。三つって、少ないようで多いんですよね。

いえいえ、好きなことはやはり多いに越したことないのでしょう。そうすれば、生活がぐっと豊かになりますものね。我々も探していきたいものです。

 

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最後に鈴木さんのこの言葉をご紹介して、締めくくりますね。

 

だって活字がないと生きていけないもの、やっぱり。

 

それでは!ここまでお読みくださりありがとうございました!!

 

 

 

 

 

 

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以下リンクです。

 

読書道楽 (単行本) | 鈴木 敏夫 |本 | 通販 | Amazon

 

内容

「読む。生きるために、読む。」
スタジオジブリのプロデューサーによる、半自伝的読書録。

「プロデューサー・鈴木敏夫、そして人間・鈴木敏夫はどのようにしてつくられたのか――。その知性と創造力の秘密は、厖大な読書のなかに隠されています。いっしょにこの豊かな本の森(迷路?)を散策するような気分で読んでいただければ幸いです。」
インタビュアー 柳橋閑(「この本の成り立ち」より)

【目次】
第1章 物語の誘惑
幼少期に四畳半で読んでいた少年漫画誌、児童文学。

第2章 小説への耽溺
思春期に読みふけった大衆小説の世界。

第3章 詩と言葉の魔法
大学時代、学生運動の最中に出会った詩と文学。

第4章 我々は何者か
社会人になって目覚めたジャーナリズム、ノンフィクション。

第5章 我々はどこから来たのか
高畑勲・宮﨑駿と出会ってから読んだ日本文化論、文学。

第6章 我々はどこへ行くのか
深く交流してきた現代の作家、碩学たち。

取材に立ち会って
あとがき 一人二役
索引