みんなモロ出し

※今回はひどい下ネタ回となります。苦手な方はそっ閉じをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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覚悟はできましたね?いいですね?

 

というわけでこんにちは。

ところでみなさんは裸族ですか?ああいや、恥ずかしがらなくて大丈夫ですよ。裸一貫で外にさえ出なければ犯罪にならないんですから。家の中で丸出しにしたって、家族以外誰も咎めやしません。ただ家族に怒られたら、そこは素直に服を着ましょう。

ちなみに裸で寝ると体にいいってたまに聞きますけど、どうなんですかね。マリリン・モンローはシャネルの5番だけを身に着けて寝ていたそうですが、どうなんでしょう。正直彼女の人生を見ている限り、あまり健康的とは言えなさそうなんですが。

他には裸エプロンが男のロマンって聞きますけど、あれもどうなんでしょうか。揚げ物やったら火傷しそうなんですが、その防御力は何をどうして補えばいいんでしょう。そして裸エプロンはあるのに裸割烹着を耳にしないのは何か理由があるんでしょうか。

 

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唐突に裸の哲学を考え始めたのにはワケがあります。今回ご紹介する本がハダカ祭りだからです。ええ、ハダカです。

そんな前代未聞のが〇ンコミステリー、七尾与史さんで「全裸刑事チャーリー」です!

 

 

帯なしの画像はBANされそうなので掲載できません。いやただのダビデ像なんですけどね。ていうかこのデザイナーはダビデ像とミケランジェロに謝った方がいいと思います。

 

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七尾与史さんと言えば、デビュー作「死亡フラグが立ちました!」や、ドラマ化した「ドS刑事」が一番有名かと思いますが、知っている人は知っている、かなり猟奇的な作品を書く方です。私はこの著者の作品で「スナッフフィルム」の存在を知りました。

 

他にもサスペンスやミステリなど幅広く活躍している七尾さんですが、前々から、彼には隠れた名作がありました。

 

その作品は、「10分間ミステリー」や「5分で読める!ひと駅ストーリー」シリーズのようなアンソロジーで、叙述トリックを駆使した手堅いミステリ、涙を誘うラブストーリー、身の毛もよだつホラー作品の中で、異彩を放ちまくっていました。どのくらい異彩を放っていたかというと、私が「10分間ミステリー」を読んだとき、この作品が強烈すぎてほかの作品を忘れてしまったほどです(本当にごめんなさい)。

 

そう、それが、この作品。

 

全 裸 刑 事

 

ページをめくれば現れるのは、ハードボイルド風の刑事、の、股間

しかも屹立している。

続いて現れるガイシャ。

 

当 然 全 裸

 

悪夢はこれでは終わりません。

犯人も全裸、目撃者も全裸、カフェも全裸。果てはコーヒーをイチモツで混ぜるわ、「バッチングセンター」とかいう、名前から容易に想像できるしょうもねえ打ちっぱなし施設があるわ、マラナウイルス蔓延でチン急事態宣言が発令されるわ、出るわ出るわ肌色の要素。しかも登場人物九割九分がオッサンなので、延々と我々はオッサンの股間と直面することになります。女性の裸を期待したみなさん、残念でした。

 

どうしてこんな無法地帯みたいなことになっているのか。設定としてはこんな感じ。

 

人々の価値観の多様化により、政府はヌーディストのためにヌーディスト法を制定した。時の総理大臣は「全裸は究極のエコだ」と言い、世の中にハダカが普及する。

そして全裸刑事ことチャーリーこと茶理太郎は警察初のヌーディスト、相棒はうだつが上がらない主人公・七尾与史君・着衣派。七尾君はチャーリーとともに、時に協力し時に反発し、時にひん剥かれ生まれたままの姿を晒しながら、今日も今日とて全裸ガイシャの無念を晴らすのであった――

 

ええ、本当にそんな感じの内容です。

 

ショートストーリー集なので、巨編にありがちな「全裸派と着衣派による激しい対立」「着衣派によるテロ行為」「ヌーディスト法によるディストピアの完成」みたいな壮大なことは起こりません。ただ、チャーリーと七尾君が現場に突撃し、チャーリーが七尾君に股間を見せつけ、ガイシャや関係者の股間について真剣に調査し、チャーリーの真剣な股間談義に七尾君が突っ込み、七尾君がチャーリーによってひん剥かれる、そういう内容です。チャーリーと七尾君はとても仲がいい(?)ので、一緒に喫茶店に行ったり、バッチングセンターに行ったりします。片方がハダカでなければほのぼのしいストーリーだったでしょう。

 

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さて、私はこれを一読したから書いているのですが、感想としては、こんな感じ。

 

何を読まされたんだ?

 

記憶にあるのはチャーリーの股間とガイシャの全裸、哀れな七尾君のキレのいい突っ込み。小説でこんな感想を抱いたのは初めてです。私は何を読んでいたのだ?

読後感としては、アレです。ボーボボとかでんじゃらすじーさんなんかを読んだ後に似ています。げらげら笑いながら読んだはいいものの、読んだあとに一気に虚無に襲われる。そう、これが賢者モードです。

 

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完全に余談なんですが、これ、個人的にドラマ化してほしい作品ナンバーワンなんですが、どうでしょう、制作会社さん。できそうですかね。いえいえ、まさかゴールデンタイムに流せとは言いません。深夜ドラマでも30分ドラマでもいいので、ここはひとつどうでしょうか。俳優さんは詳しくないのでアレですが、というか名前を出すと各所で怒られそうですが、ほら、ハードボイルドな刑事役の似合う俳優さん、いるでしょう?そういう人で、ぜひお願いします。

……と各界隈にご迷惑をかけそうな願望を垂れ流しつつ、今回はこの辺で。お読みいただきありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

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以下リンクです。

 

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内容

ヌーディスト法が施行された日本で、全国初の全裸刑事が登場した!

ヌーディスト法が施行されて一年がたつ。人々の価値観が多様化してついに日本は、全裸生活を認めることとなった。反対勢力も強く、国会は揉めに揉めたがヌーディスト派である時の総理大臣が「全裸は究極のエコだ」と意味不明な理屈でごり押しして、彼は生まれたままの姿でヌーディスト法の施行を高らかに宣言したのである。それは警視庁も例外ではなく、全国初の全裸刑事が登場した――。
警部・茶理太郎、通称チャーリー。捜査一課強行犯第5係に属する全裸刑事が、事件を鮮やかに解決する!

書き下ろし含む、七尾ワールドが炸裂する全15編。