あなたは本をどこで買う?

これ、本当に人によりけりだと思うんですが、どうでしょうか。

というわけでごきげんよう。令和の時代、本当に本の入手経路って多種多様になりましたよね。古き良き文化である古書店や図書館、フレッシュな新刊書店、ダークホースの新古書店、ビッグウェーブのオンライン書店、書籍界隈のコペルニクスこと電子書籍、エトセトラ。人から譲ってもらう、なんてものもありますよね。

ちなみに私は断然新古書店と新刊書店、快適な季節だったらちょっと遠出して即売会なんかにも行きます。ほかには図書館のリサイクル本なんて穴場です。基本古い本しか置いていないのですが、たまにびっくりするような本もおいてあったりして楽しいです。私はそこで氷室冴子さんの「なんて素敵にジャパネスク」の全巻、シノムン・ジョルジュのメグレ警部シリーズ、新しいところでは小川洋子さんの「猫を抱いて象と泳ぐ」、ホットな本だと砥上裕將さんの「線は、僕を描く」などを入手しました。ほかにも東野圭吾さんや宮部みゆきさんなど、ベストセラー作家さんの本なんかもたくさん出ています。覗いてみるのもいいかもしれませんね。

 

ちなみにもうひとつのおすすめは即売会です。定期的に古書協会の施設なんかで行われるのですが、ここもまるでテーマパークです。ブックオフでは1冊200円以上するような単行本が1冊100円、文庫本にいたっては3冊100円。単純計算で1冊30円です。こちら状態のいいものや稀覯本なんかはないものの、ベストセラーだった本なんかは豊富にあります。「あっこの本懐かしいなぁ」「読んでみたかったんだよなあ」「こんなジャンルの本もおいてあるのか」みたいな発見もあります。私はここで、ボーイズラブの名著、水原とほるさんの「陰猫」を入手しました。ラノベやBL本なども豊富においてあるので、堅苦しく考えずちょろっと覗いてみてはどうでしょうか。

 

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さて、今回ご紹介するのは古本屋の使い方です。参照するのはこちらの本。岡崎武志さんで「古本道入門」です!

 

 

岡崎武志さんは古本界隈の大御所エッセイストです。私の大好きな著者の一人でもあります。

 

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では、ここで言う「古本屋」では何が買えるのか。

答えはこうです。

 

この世に生まれでた出版物

 

そのほとんどが、古本マーケットでは入手可能なのです。

もちろん現代の本だけではありません。近代の文豪の小説だけではありません。広義の出版物の文化は平安時代から存在していますので、そのときの絵巻物も取り扱います。すなわち、千年以上の幅のある本が入手できるんですよね。そう思うとわくわくしませんか?

そして、正式な出版社を経たものだけではありません。時には手違いのように個人の日記や写真集まで流通することもあるそうです。中には育児日記まで。著者の岡崎武志さんはそういう本を買って楽しんでいるタイプの一人だそう。いやまあ楽しそうではあるけれど、なんだか他人のプライベートを覗くってギルティすぎませんか……

 

とはいえ注意したいのは、お店によって得意なジャンルが違うこと。ブックオフなどでウン百万の稀覯本をなかなか目にしないの

と一緒です。漫画やエロ本を専門に扱うサブカル一色のお店もあれば、江戸時代以前の年代物が得意なお店も。最近の古書店には「セレクトショップ」といって、著者の好きなジャンルしか置いてない古本屋もありますので注意が必要です。

 

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ここで古本屋に行く際のマナーをば。

絶対にやってはいけないのは値段交渉です。これだけはNGです。ここはフリマ会場でもメルカリでもありません。

古本の値段というのは、店主が責任と審美眼を持ってつけた、いわば正真正銘の「本の価値」です。つまり、店主のプライドがぎゅっと詰まっているわけです。それを値下げ交渉するなど言語道断、店主のアイデンティティの否定であると著者は言います。

高いと思ったら買わない。お金ができたらお店に舞い戻るのをお勧めします。

(中には家を担保にしようとしてまで本を手に入れたがるツワモノもいますが、マネしないようにしましょう。明日の生活は大切に!)

 

あとは当たり前の話にはなりますが、本の上にカバンを置かない、雨が降った日の傘の扱いには細心の注意をはかるようにしましょう。カバンの底というのは思っている以上にばっちいものですし、本は総じて水気に弱いです。特に雨の日は注意をしましょう。晴れた日にしか行かない、というのもアリかもしれません。

 

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ところで以下はこの本に共感したことになります。

知っての通り、古本界隈には「美本信仰」みたいなところがあります。同じ本でも書き込み、ヤケ、経年劣化がなければないほど価値が上がるのは常識。だから買った本を読まずに後生大事にしまい込むーーなんて、笑い話にもならない話が横行しています。

この過剰な「美本信仰」について、私、かねがね気持ち悪いなと思っていたんですよね。言葉にはできないんですけど、なんか、こう……もやっとするよね、みたいな。

この問題について、著者はバッサリこう一刀両断します。

 

処女信仰みたい

 

それだ!

もちろん中には「処女以外は恋愛対象じゃない」という猛者もいることでしょうが、それを堂々公言したらドン引きされますよね。女性から大バッシングでしょうね。炎上ものです。

なのに本だけは「処女以外ごめんこうむる」と公言しても誰も何も言わないのが不思議なのです。手垢に汚れて焼けた経年劣化や、ほかの人が引いたアンダーラインも一つの味だと思うんですけど、どうでしょうか。

 

と、安本大好き読書ユーザーのぼやきを残しつつ、今回はこの辺で。お読みいただきありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

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以下リンクです。

 

古本道入門 - 買うたのしみ、売るよろこび (中公文庫) | 岡崎 武志 |本 | 通販 | Amazon

 

 

内容

古本カフェ、女性店主の活躍、「一箱古本市」……。いま古本がおもしろい。新しい潮流と古きよき世界を橋渡しする著者が、その味わい方を伝授する。店主との交流、個人の日記が売られる理由、神保町案内、さらにブックオフ活用法や古本屋開業の鉄則まで、この一冊で神髄がつかめる。古本達人8人を紹介するコラム付き。文庫化にあたっては、できるかぎり情報を更新している。