スランプ
です。こんにちはごきげんよう。
最近本を読むのに集中できなくなった今日このごろです。読もうとページを開いても目が文字の上をすべるだけ、ちっとも頭に入ってこない。小説ならなおのこと、登場人物すら把握できず、話の筋を追えないから何度もページを戻っては読み直すの繰り返し。正直こんなこと初めてです。読む気がないのならまだしも、読む気があるのに読めないなんて。
どうでしょう。みなさん、そんな経験はありますか?経験がある方なら分かると思うのですが、この状態、かなりしんどいです。やりたいのに集中できない、できない、やり方を忘れてしまったみたい。私の場合は読書でしたが、これがきっとお仕事関連になるともっとしんどいんだと思います。そう思うと、クリエイターの方ってすごいですよね。依頼があれば、どんなコンディションでもコンスタントにモノを作らなきゃいけないんですから。
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さてどうしたものか。せめて読みやすそうな本はないか。ということで本棚をひっくり返すと、ありました。今回ご紹介するのはこちら、若松英輔さんで「本を読めなくなった人のための読書論」です!
世の中には、まあ、ドンピシャな本というものは存在するもんなんですね。
ちなみに当時この本を購入したきっかけというのは、「読めない人の気持ちはわからないから学んでおこう」というものだったと思います。まさか当時も、この本が入用になるとは思わなかったんですね。
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この本はタイトルの通り、今まで本が読めていたのに読めなくなってしまった人のために書かれた本です。決して書評を書いたり、良書を薦めたり、読書の素晴らしさと説いたりはしていません。どうして読めなくなってしまったのかをじっくりと検証し、どうすれば読めるようになるのか、それをゆっくり一緒に考える本です。
もちろん、この本を読んだからといって、魔法のように再び本が読めるようになるとは限りません。どうして読めなくなったのか、読めるようになるためにはどうすればいいのか、それを学んだうえで、自分のペースで「読める」ようになるまで待つしかないのです。そこだけ注意を。
実際、この本を再読した私でも、いまだに本が読めるようにはなっていません。まだしばらくかかるのかなあと思います。
ではそこだけ気を付けたところで、本編へゴー!
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さて、さっそく結論にいきましょう。本にはこう書かれています。
本が読めないときは無理して読まなくてよいのです。
なんだって?読みたいから困っておるんだろう!と思いましたが、よく考えれば当然のこと。
ようするに、この状態は食べることに似ているのです。いくらごちそうでも、おなかがすいていないのにテーブルいっぱいに提供されたら困ってしまいます。ケーキバイキングで例えるとわかりやすいかもしれません。スイパラなんかで吐きそうになるほどケーキを食べたあとって、「もうしばらくケーキはいいかな」ってなりますよね。まあ二日三日経てばまた食べたくなるんですけど。そういう状態に似ているのです。
つまるところ、本が読めない状態というのは「言葉の断食」なのだと著者は言います。昨日は食べすぎたから今日は控えよう、みたいなものです。それに実際の断食はさまざまな弊害(口が臭くなる、イライラするなど)がありますが、言葉の断食はそういうことはありません。それに本を読まなくても世の中には言葉があふれていますから、まったく断食するというわけでもありません。本当に、ごはん今日は軽めでいいかな、みたいな感じかなと私は解釈しています。
だから、本が読めないときは無理して読まなくていい。無理して食べたら気持ち悪くなるだけですから。読めなくなったってことは、言葉でお腹いっぱいということなんですね。
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じゃあ、お腹いっぱいの状態からどう脱出すればいいのでしょう。
方法としてはこんな感じ。
・「ひとり」の時間を確保する
複数人といると、ただでさえ精神的に疲れてしまうことってありますよね。読書は本来ひとりでするもの。「ひとり」という時間の快適さを取り戻すことで本が読めるようになるんじゃないかな、と著者は言います。
ウィズコロナになったとはいえ、SNSの普及で簡単に人とつながることができるようになった時代です。スマホを開いてしまったら、私たちはとたんにひとりになることはできなくなるのです。いったんスマホを閉じて、ひとりで静かにすごすという感覚を取り戻すことも大切です。
・なにか書く
「読む」ことと「書く」ことは呼吸のような関係。読んだら書く、という習慣が大切だと著者は言います。
ただ、「何を」書けばいいのか、ということははっきり書かれていません。本を読んで気になったところを書き写すのもいいよ、ちなみに僕は手紙を書いたよ、とありますが、絶対これをやれ、というのはありません。きっと、なんでもいいのです。私の場合はこのブログだし、中にはSNSかもしれませんし、ノートに愚痴を書き出すのもいいと思います。自分だけのデスノートだって十分書くことでしょうし。とにかく、自分の中の言葉を吐き出すことが大切なのです。
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ん?待てよ?さっき読むことは食事に似ているって言ってたよな、ってことは書くことって、ウン……?
と、触れてはいけない疑問にぶち当たりつつ、今回はこの辺で。無事に私・ぽんぽこが読書ライフを取り戻せるようになるよう見守ってくだされば幸いです。それでは、ここまで読んでくださりありがとうございます!
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以下リンクです。
本を読めなくなった人のための読書論 | 若松 英輔 |本 | 通販 | Amazon
内容
本が読めなくなったのは、内なる自分からのサイン。だから、読めないときは、無理をして読まなくていい。読めない本にも意味があるから、積読でもいい。知識を増やすためではなく、人生を深いところで導き、励ます言葉と出会うためにする読書。その方法を、あなたと一緒に考える。