古本はいいぞ


と、私は思うのですが、いかがでしょうか。

私は新刊より断然古本派なんですよね。流行りのベストセラーも最近追うことが少なくなりましたし、新刊でドカドカ買うほどのお金はないですし。

もちろん新刊で買えるならそちらに越したことはないんですよ。印税が作者さんに入るから。でもなぁ!お金が!ねぇんだよ!


将来の夢は新刊書店で「ここからここまでください」と言うことです。やってみたいなぁ…。




というわけで今回ご紹介する本は、古本ユーザーなら一度は目を通したことのあるあの本、三上延さんで「ビブリア古書堂の事件手帖」です。


この空間で本を読んでみたい

紫陽花があって、座りやすそうな椅子があって、傍に本が積み重なっている。これは楽園ですね!



三上延さんといえばこの作品、みたいな印象が強いかと思いますが、実は以前から精力的に作家活動をされていた方でもあります。
たとえば私が好きな作品では「天空のアルカミレス」があります。美少女や美少年が甲殻を纏ってガチバトルする話です。イラストも非常に繊細なので、非常にお気に入りの作品ですね。若い頃熱中した思い出があります。


ビブリアの延長線で読むとビビりますよー。




さてはて、ビブリアの話に戻りましょう。
漫画、ドラマ、映画、児童文学化とさまざまなメディアミックスを展開している作品なので、大筋はみなさん分かっていらっしゃるでしょうが念の為。

主人公は五浦大輔。プー太郎の大男です。幼いときのとある体験から、ビブリオ作品の主人公なのに本が読めないというとんでもない欠点を抱えています。
読書家の祖母が亡くなったため本を処分しようとした先が、くだんのビブリア古書堂。そこの店主が、みなさんご存知、篠川栞子です。
栞子さんは古本屋という小売店の店主として致命的なほどのコミュ障。接客もままならないので、かなり重症です。
さらには本編前に事故に遭って入院中、よってヒロインなのに店にいないというとんでもない事態になってます。

そんな大輔と栞子さんは、ある1冊の本によって深く関わることになりました。それが、祖母の持っていた夏目漱石の「それから」です。
その本には夏目漱石の署名があり、これは本物か、偽物ならなぜ祖母が後生大事に持っていたのか、という謎に迫ります。



他にもこの作品にはさまざまな古書が出てきます。
この巻に出てくる作品はこちら。

・「落穂拾ひ」 小山清
・「倫理学入門」 ヴィノグラートフ・クジミン
・「晩年」太宰治

ラインナップがマニアック。

ヴィノグラートフ・クジミンに至ってはSi○ejiの予測変換にすら出てきませんでした。S○mejiの情報網をかいくぐるとは強者ですね。
逆に考えれば、このマニアックさこそがこの作品の魅力とも言えましょう。




ちなみにこちらの作品、舞台が鎌倉ですね。三上延さんはこの作品を発表したあと、他にも鎌倉あたりを舞台にした作品を多数書かれています。
ビブリアの世界を満喫したいのなら、この本を片手に鎌倉に出向いてもいいかもしれませんね。コロナが落ち着いたら。









以下リンクです。




内容

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。
だが、古書の知識は並大抵ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも。彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。
これは“古書と秘密”の物語。