そういうことになった


昨日も更新サボってしまい申し訳です。


さてはてみなさん、いつまでも読んでいたいシリーズってありますか?

私はマンガだと樹るうさんの「ポヨポヨ観察日記」がそうだったんですけど、何年か前になんと終わってしまいました。あのときの絶望感よ……。もうポヨに会えないの?いやだよぉポヨに会いたいよぉ!と等身大ポヨぬいぐるみ(公式)を抱きしめ泣いたものです。




参考に、こちらがポヨです。ねこです




というわけで今回は、私が10年近く追いかけているシリーズの、夢枕獏さんで「陰陽師 水龍ノ巻」です!


簡単に陰陽師シリーズについておさらいしておきますと。

天才陰陽師の晴明と、その友達の博雅による怪奇物語in平安時代

です。
他にも色々な主要人物はいることはいるのですが、知らなくても楽しく読み進められます。なんなら初登場のキャラクターが「もちろんみんな知ってるよね?」という体で登場するのがこのシリーズ。えっ誰だよそいつ……と我々が当惑したところで、晴明か博雅が「ああ○○の人か」とちょろっと注釈が入ったり、地の文で「だれだれは○○である」とちょろっと説明があったりします。



また、このシリーズは基本短編で、時系列など存在しないのも特徴。
ゆえに、どの巻のどこから読んでも楽しめるというつよつよ属性があるのです。
たしかにこのシリーズは今年で35周年とめちゃくちゃ長いですし、巻数もめちゃくちゃありますし、正直どの巻も表紙が似てるのでどこまで読んだか分からなくなりがちです。
でも!
大丈夫!
登場人物で押さえておくべきは晴明と博雅だけ、しかもその2人も「陰陽師とその友達」くらいの認識さえあれば、どの本から読んでも入っていけるのが魅力です。



少しこの巻についても触れましょう。

今回は陰陽師・晴明の出番は控えめで、その友達の博雅が大活躍な話が多いです。
なんといってもこの博雅、音楽の天才で、かつ天然でいいやつなのです。普通の少年漫画なら彼が主人公でもおかしくないやつです。
そんな彼が夜に笛を吹けば殺し屋が感動して帰ってしまい、神様が近づき、泥棒は感動のあまり盗んだものを返しに来ました。まあそんだけすごい才能なのです。
今回は、そんな彼の音楽にまつわるお話が印象的でした。何回か過去作を読んで博雅のいい男ぶりが好きになった方には、ぜひぜひ読んでほしい話です。



ちなみにこのシリーズに多いオチがありまして。

やっぱ人間が一番怖いよな。

というところに落ち着くのが多い印象です。
だけれど晴明も博雅もそれを嘆くことはなく、晴明はあくまで事実として受け止めて、博雅は逆に悲しいこととして感傷的になり、最後にほろほろとお酒を飲むーーというラスト。
リアリストな晴明とロマンチストな博雅が一緒にのんびりお酒を飲んで終わる、という鉄板のオチに、私は「なにがあってもこの2人は変わらないんだ」と安心できます。

いつまでもこの2人には仲良くのんびりと、庭を眺めながらお酒を飲んでほしい。そしてぽつぽつとお喋りをして、事件があったら2人で行く。解決したらまたお酒を飲む。そんなふうに願ってしまいますね。
とはいえ作者の夢枕獏さんもお年がお年ですから、いつこのシリーズが終わってしまうのか、私は気が気でないのです。このご時世ですし、いつまでもお元気でいてほしいのですが……

と、またも新作に期待を寄せつつ、このあたりで筆をおきますね。







以下リンクです。






内容

「博雅よ、無垢は、時に罪だ……」

源博雅の笛・葉二の過去、蝉丸の若き日の恋。
そして、人の魂を召喚する秘事の正体とは。
累計720万部「陰陽師」シリーズ第17巻!


源博雅の無垢さが鬼をもうろたえさせる「読人しらず」のほか、
若き日の蝉丸の恋と、ある秘儀を描いた原稿用紙120枚の中篇「蘇莫者(そまくしゃ)」、
そして、碧い眼の陰陽師が登場する「秘帖・陰陽師 赤死病の仮面」など、
全8編を収録。
安倍晴明ブームの原点、祝・35周年!