酒が飲めたら

毎日ハッピー

だと思うのですが、致命的な下戸なんですよなぁ…。

というわけでこんにちは。突然ですがみなさま、居酒屋に行ったらまずなにを頼みます?

ちなみに私の知り合いにどしょっぱつからスクリュードライバーを頼むバケモン猛者もいました。なにを頼むかは個人の裁量ではありますが、初手ウォッカは生命的に大丈夫なのか…?




さて、今回ご紹介する本はこちら。蝉川夏哉さんの「異世界居酒屋のぶ」です。




これぞ大衆居酒屋!
って感じの表紙がいいですね。仕事帰りに若いサラリーマンがふらっと入ったり、現場の親方が若い衆を連れて洗礼を受けさせたりするタイプの、ちょっと泥臭い居酒屋です。最近流行りのカフェバーみたいなのもオシャレですが、やっぱ居酒屋はこうだよ!というのが全面に出ていますね。



さてみなさん、とくに若い人は、座卓について早々こう言うのではないでしょうか。

とりあえず生いっとくかぁ

そしてその流れのまま、こう注文する人もいるでしょう。

とりあえず生で!

それを見た、日本の文化を全く知らない人はどう思うか。恐らく、

トリアエズナマってなんぞ?

となることでしょうね。
例えば日本人とて、「チチャ一丁!」と言われて「チチャ」がなにか想像できる人が何人いるか、というのと似てますね。ちなみにチチャはインカの口噛み酒です。今では南米のトウモロコシ酒でも知られています。
 
ちなみに最近では「とりあえず生!」と注文すると気を悪くする店員さんも多いので気をつけてくださいね。「生ビールください」くらいにしておくのがスマートな大人です



さて、この「居酒屋のぶ」の概要。
居酒屋系の作品にしては珍しく、お酒の銘柄よりも料理に重きを置いています。おでんや唐揚げなど定番のおつまみから、酒盗や南蛮漬けのような渋いチョイス、ナポリタンやサンドイッチなども(賄いを客に奪われるかたちで)提供したりして、かなり臨機応変な客対応がなんだか今風ですね。

さてはてそんな居酒屋のお客はというと、タイトルの通り、異世界の人間たちです。
当然ながら日本の食文化を知らない彼らは、ダイコンも豆腐も知らない。鶏はいるけど廃鶏のゴムみたいな肉しか知らないし、鰻は不味くて食べられないと思っています。
彼らの正直なところ、「これ食えるの?」といったところでしょう。
我々の目の前にモルモットの丸焼きがあるのを想像していただければいいですかね。「食えるのこれ…?」ってなりますね。

そして、恐る恐る食べた異世界人たちの世界は瞬く間に広がりました。

う   

と、なったわけです。
食の可動域のお話は「辺境メシ」の回で行いましたね。異世界人の食の可動域はがっつり広がり、謎の美味しい料理を格安で食わせてくれると評判に。

また食事をする描写も素敵なのでぜひ。
異世界の兵士ハンスがおでんのダイコンを食べるシーンを引用してみますね。

恐る恐る口に含むと、ほろりと崩れた。
熱い。が、美味い。

すごくシンプルに、食べ物の美味しさを表現しているのも特徴のひとつですね。
立て板に水のような美辞麗句の食レポもなければ、テンションで押し切るリアクション芸人のものとも違う。
言葉が少ないからこそ、きちんとした美味しさが伝ってくるものですね。



ちなみに類書で犬塚惇平さんの「異世界食堂」シリーズもありますね。そちらは路地裏の老舗洋食屋さんっぽいお店が舞台で、異世界居酒屋とは違った趣のお店です。


こちらはまた客層が異なり、かなりモンスターめいたお客も来ます。

異世界系レストランの和と洋と。どちらから先に召し上がるかは、みなさん次第ということで。







以下リンクです。
 



内容
古都アイテーリアの裏路地に、一風変わった店があるという。
若い衛兵ハンスは同僚のニコラウスに連れられてその店──居酒屋「のぶ」を訪れる。
木の引き戸を開けた先にいるのはノブ・タイショーと呼ばれる主人と、給仕のシノブという女性。
こぢんまりとした店内は、不思議な異国の情緒を漂わせており、見たことも聞いたこともない料理を出してくる。
そして、キンキンに冷えたエール──「トリアエズナマ」がとんでもなくうまい!
噂は広が り、次々に客が訪れるようになるが、中には込み入った事情を持つ者もいて……。
これは、異世界に繋がった居酒屋「のぶ」で巻き起こる、小さな物語。




異世界食堂はこちらこら

 



内容

説明

内容紹介

「小説家になろう」大人気のグルメファンタジー。料理を食べるお客さんの美味しそうな描写に「思わずお腹が空く」「洋食屋に行きたくなる」人が続出中だ !!

オフィス街に程近い商店街の一角、犬の看板が目印の雑居ビルの地下一階にその店はある。
猫の絵が描かれた扉の食堂「洋食のねこや」。
創業五十年、オフィス街のサラリーマンの胃袋を満たし続けてきた。
洋食屋といいながら、洋食以外のメニューも豊富なことが特徴といえば特徴なごく普通の食堂だ。
しかし、「ある世界」の人たちにとっては、特別でオンリーワンな一軒に変わる。
「ねこや」には一つの秘密がある。
毎週土曜日の店休日、「ねこや」は“特別な客"で溢れ返るのだ。
チリンチリンと鈴の音を響かせやってくる、生まれも、育ちも、種族すらもばらばらの客たちが求めるのは、世にも珍しい不思議で美味しい料理。
いや、オフィス街の人なら見慣れた、食べ慣れた料理だ。
しかし、「土曜日の客たち」=「ある世界の人たち」にとっては見たことも聞いたこともない料理ばかり。
特別な絶品料理を出す、「ねこや」は、「ある世界」の人たちからこう呼ばれている。
―――――「異世界食堂」。
そして今週もまた、チリンチリンと鈴の音が響く。