いきなりですが、みなさんサイコパスですか?

なんのこっちゃ、という出だしですが、今回のテーマはサイコパスです。サイコパスといえば殺人鬼。

では、人はどうしてサイコパス(というより殺人鬼)になってしまうのか。



さて、この本です。

東大首席弁護士で有名な山口真由さんが著作でオススメしていたこの本。山口さんはこの本をカポーティの「冷血」という本(こちらはまた後日紹介しますね)と並べて紹介していました。



主人公のフジコは殺人鬼のサイコパス。この本はフジコがどんな人生を歩んで殺人鬼となってしまったのか、を克明すぎるほどに書いています。

というのもこのフジコ、日本の抱える闇をことごとく体験してきた壮絶な女性です。

子供時代のネグレクト、学校の女児カースト(思春期あるあるのアレです)、彼氏の二股、ダメ男と嫁姑問題、就職難(身につまされる話ですね)と育児の悩み、その他もろもろ。恐らくこの本の読者も、何個か体験したものもあったかと思います。


だけど読者たちは殺人鬼にならず、フジコは殺人鬼となってしまった。どうしてでしょう?


というのが、この本の大きなテーマだと思っています。



ところで先述の山口さんはこの本を読んで、「(こういう本のおかげで)私は殺人を犯さずに済んだ」という旨のお話をしています。

フジコは確かに非現実的で、悪夢のような恐ろしい女です。彼女のことを「人間でない」と思うのも仕方ありません。

けれど私たちの中に、フジコがいないと言いきれるでしょうか。秩序を重んじて生きてきた私たちの中に、フジコはまったくいないのでしょうか。


なんてことを考えつつ、もう一度聞きますね。


みなさんは、サイコパスですか?



以下リンクです。


https://www.amazon.co.jp/dp/4198933677/ref=cm_sw_r_em_apa_glt_i_9E5XJK783CAMFF5RP8ZZ 


内容

一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十歳の少女。だが、彼女の人生は、いつしか狂い始めた。人生は、薔薇色のお菓子のよう…。またひとり、彼女は人を殺す。何が少女を伝説の殺人鬼・フジコにしてしまったのか?あとがきに至るまで、精緻に組み立てられた謎のタペストリ。最後の一行を、読んだとき、あなたは著者が仕掛けたたくらみに、戦慄する!