がんを患ったことに加え、職業柄、人工臓器や臓器代替医療機器(現在は透析機器)の研究をしていることから、臓器移植には興味がある。

いや、興味というと誤解を招くかもしれないが、脳死と本当の死の違いは何か、他人の臓器を移植するとはどういうことか。私は医療従事者ではないのだが、そういうことを、日々考えながら仕事をしている。命の再分配というのは所詮綺麗事で、誰かが健康な臓器を持ったまま死んでくれることを期待して成り立つ、医学的にも倫理的にも非常に繊細で危うい問題なのである。おそらく正解は、一人一人の死生観に委ねられている。絶対的な正義は存在しないのではないだろうか。

そんな中、これまたなかなか衝撃的な漫画に遭遇してしまった。命に対する正義ってなんだろうか。
※ネタバレになるので明確に説明できないのがもどかしいのだが…これは気になる人にはぜひ読んでほしい。ただし、臓器をえぐり出すシーンは、詳細に描かれているので、そういうのが苦手な人はやめておいた方が心臓のためです…が決して、興味本位のホラー作品ではありません。

主人公の口癖『命を大切に』『命に感謝』
やっていることと矛盾するような、しないような、彼女なりの正義がそこにはある。これはハマります。