続いて大腸がんについて。

 

乳がんの手術が5月、抗がん剤治療が6~12月、放射線治療が翌1~3月と、乳がんが発見されてから1年間は、ほぼ休まず治療、治療、治療・・・ようやく投薬治療(タモキシフェン)に移り、少し落ち着いてきた頃。そういえば、治療で振り回されて、1年間健康診断をしていないが、他の癌も調べなくちゃ、と思い、9月に人間ドックを受けた。抗がん剤治療のせいか、家で健康的な生活を送っていたからか、数値は非常によくなっていた。ただ、便潜血が2回のうち1回検出されている。

 

さて、ここで、誤解されがちな「便潜血」

この潜血反応は、痔や経血とは区別されているとご存じでしょうか。

便潜血が1回検出されても「生理中だったし」「あの日、排便時に力んで血が出たからな~」

などと自己判断していませんか?

 

乳がんを経験していない私なら・・・

確実にそういう、自分に都合のいい自己判断をしていました(笑)

 

ですが、この潜血反応、意味があるのですよ。検査の時にできるだけ便の中の方から検体を取るのはそのためです。原理まで詳しく説明できないのですが、大腸から何らかの病的出血がある場合は、単純な血液反応と違う検出の仕方がされ、それが便潜血反応に活かされているので、要検査とのお知らせを受けたら、たかが便潜血、と思わずに、精密検査を受けることをお勧めします。

 

ここからが問題なのですが、精密検査といえば

大腸内視鏡検査!

 

これがまた、えぐい・・・

まず前日の食事の時点で、もうくじけそうになります。

腹が減る・・・いもとうどんしか食べられない・・・おなかがすいたら、無色の飴を食えだと・・・

そして、翌日は早朝から下剤を飲み始めます。これまた、半分くらい飲んだら、吐き気と下痢で「もう勘弁して下さい」と泣きたくなる。このあたりで、いったん下剤をやめて、便意が止まった時を見計らって、病院に向かう。あとは病院で残りを飲み干す。

再開すると、病院でもピーピー。しかも恥ずかしいことに、便が完全な水状になったことをチェックされる。自分の出したものを看護師に見せる恥ずかしさ。そして容赦なく「もうちょい飲みましょうか~」と笑顔で返される。

ようやく恥ずかしいチェックもクリアし、ベッドに横たわるころには、体の力がすべて抜け、心底心地よく感じる。安定剤を打って検査をする人はもっと気持ちがいいだろう。そのまま寝てしまった方がいいかもしれない。ここまでくればあとは大丈夫。多少お腹を押されて痛い感じや、腸を膨らませる時にガスを入れるので、それで突っ張る感じはあっても、そこまで苦痛は伴わない。

 

つまり、大腸内視鏡検査は下剤との戦いである!

 

あとは検査結果を待つだけ。だが、その時に見てしまった、微妙な形をしたできもの・・・

癌という名にふさわしい、おどろおどろしい姿をした腫瘍・・・

 

先生が、乳がんの手術日、治療内容、などを聞いてくる。乳がんの転移を疑っている模様。

ただ、乳がんから大腸がんへの転移はほとんどないらしく、逆に転移だとしたら、肝臓を介してここに転移している可能性を考えているらしい。

 

これはまた・・・乳がん治療を乗り越えたばかりだというのに、追い打ちをかけるかのようなこの状況・・・ついに私の寿命も尽き果てるのか・・・

この時は、乳がんの時よりもはるかに絶望した。

 

ただ、その後の検査で、大腸内にがんは1つだけ。他臓器および腹膜への転移なし。しかも1センチ弱。

ということで、翌年2月に腹腔鏡手術により切除しました。

 

この時も、精密検査申し込みが10月、大腸内視鏡検査が11月、そのあと乳腺外科も連携して多数の検査をこなし、2月に手術、という流れ。やはり発見から5か月かかっているのである。

 

大腸がんも、切って4年が経過した。

大腸がんの場合は、内視鏡検査がきついことが、検査から遠のく原因となっている。

大腸内視鏡検査も、安定剤を打ってくれるところがほとんどだし、逆に私のように、自分で安定剤を服用している場合は、何もしないで検査をしてくれます。大腸がんは、切除だけで終わったので、その後の治療については分からないが、私の感覚だと、消化器系の癌は、とにかく検査の負担が大きく、また腹膜播種を起こしたりすると、非常に苦しいと聞く。想像しにくいかもしれませんが、大腸がんを放っておくと、乳がんよりも早く、各臓器にがん細胞が運ばれてしまうでしょう(たぶん:全臓器との血液交流が盛んなので)。

 

ここは、ぐっと我慢して・・・将来の命を守るためだと心を決めて・・・

 

大腸内視鏡検査を受けてください!

 

 

繰り返しますが、たかが便潜血ではないのです。小さな小さな、がんのシグナルかもしれないのです。どうか、怖がらずに、内視鏡検査を受けましょう。癌でなかったとしても、一度受けておくと、二度目以降のストレスは相当減りますし、内視鏡検査で得られることは多いですよ。

 

今日も長文をお読みいただき、ありがとうございました。

このブログが、潜血反応陽性を受けて、ざわざわしている人の背中を押せることを祈っております。