植芝盛平翁先生の両手取りの天地投げ



天地(あめつち)に 気むすびなして中に立ち 心がまえはやまびこの道


合気道開祖植芝盛平




私は十数年合気道をやっていた中で沢山の先生から天地投げの指導をいただいて、天地投げについてこれ以上教わる事がないでしょと思っていたのですが、先週茨城支部道場の稲垣 繁實師範の指導を受けて今まで知らなかった天地投げの裁き方を教えていただきましたのでとても興味深い話なので最後まで読んで下さい。


両手取りの天地投げでは取られた両手を手首より返し、片手が相手の側面に突き(他の手)、反対の手は呼吸法で返し相手の肘部を肩より高く上げ(天の手)両手で相手を投げます。


シンプルな動作ですが、実に難しのです。まずは両手を強く掴まれたら中々手を返せないのです。初心者のときは良く私の師匠の福田保先生に「合わせないからダメなんだ」とか

「呼吸力で返すんだ」と言われましたけど合わせと呼吸力を理解するまで何年もかかりました。


両手の合わせる方法

両手首を上から取られたら、肩の力を抜いて、手の指を軽く開き(氣を入れる)一旦両手を手首より内側に返します(左掌を下から右へ、右掌を下から左へ返す)。両手を掴んだ相手が元に戻そとする捻る瞬間に合わせて掌を下に戻します。


言葉で表せるとしたらこれは天地投げの最初の合わせと言えます。


基本の天地投げの場合このように相手の握りに合わせてから技を行います。




①両手取り天地投げ

(基本)


逆半身から

「取り」右半身で両手取りを誘い、「受け」左半身で相手の両手を掴みます。


「取り」相手の握りに合わせてから左手首を相手

の手の内側に返し「受け」の肘が肩より高くなるまで振りかぶる同時に右手を臍前で突き、右足で右斜め前に(相手の左側面)進みます。(右半身)


左足で左斜め(相手の後)へ進みながら更に左手を返し相手を投げます。(両手が腰の高さ、残心)


斎藤守弘先生の天地投げ





上の技が一般的な両手取りの天地投げですが、今回は一番注文して欲しいのはこの後紹介したい稲垣師範の天地投げの裁き方です。

実はこの技のときは私自身が先生の受けを取っていまして簡単に崩された事にびっくりしました。この方法と一般方法で技を行なってみたのですが実に効果的な方法だと私は思っています。

違いは突き(他)の手のときの足の裁き方です。一般的な天地投げの場合同じ半身で相手の側面に進むのですが、この方法では入り身投げに近い入り方をして逆半身になって相手を崩します。ぜひ皆さんにもこの方法を試してみてほしいのです。

後日自分が行ったこの技の動画を追加したいとおもいます。




②両手取り天地投げ



逆半身から

「取り」右半身で両手取りを誘い、「受け」左半身で「取り」の両手を掴みます。


「取り」相手の握りに合わせてから左手首を相手

の手の内側に返し「受け」の肘が肩より高くなるまで振りかぶる同時に右手で突きながら右足で「受け」の左側面に入り身をしま。(左半身)


左足で左斜め(相手の後)へ進みながら更に左手を返し相手を投げます。(両手が腰の高さ、残心)









他の手を返し体の変更のように転換しながらの天地投げもあります。この方法では呼吸力と合わせがもっと難しいのです。相手の側面に転換しますから天地投げの裏と名付けてる道場が多いです。



③両手取り天地投げ

(転換、裏技)


逆半身から

「取り」右半身で両手取りを誘い、「受け」左半身で両手を掴みます。


「取り」左手を手首より相手の手の内側へ返し(呼吸法)、右足を相手の左爪先に合わせて右手を手首より自分の臍の方向へ返し右足軸に転換します。(体の変更のように)


腰より体を右に開き、左手を「受け」の肘が肩より高くなるまで振りかぶる同時に右手を臍前で突きながら右足で相手の左側面に進みます。(右半身)


左足で左斜め(相手の後)へ進みながら更に左手を返し相手を投げます。(両手が腰の高さ、残心)






④両手取り天地投げ

(気の流れ)


③を気の流れで行う斎藤守弘先生の動画を参考して下さい。






天地投げは呼吸力で相手の手が外れないように相手を崩すのがとても大事です。



 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。