自衛隊の階級構成から見えてくる徴兵制 | T-MOTOの日曜映画

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自衛隊の階級別の人数を見ると、昔からずっと、兵士よりも下士官の方が多いという奇妙な構成になっています。

1976年の防衛白書のデータで計算すると、

士官 + 下士官 の人数が、64.7%で、

兵士の人数が、35.3%です。

この頭でっかちの自衛隊の組織によく似ているのが、ワイマール共和国時代にドイツ軍の復活を計画したゼークトの軍備政策です。

平時には下士官だけ必要人数を確保し兵士の人数は抑えておいて、危機的な状況になったら兵士を大量動員するという発想のゼークトの軍備政策による階級構成は、

士官 + 下士官 が、64.0%

兵士 が、36.0%

自衛隊とほぼ同じです。

自衛隊の発足時にゼークトの軍備政策が影響を与えていたことは、陸上自衛隊幹部学校の元教官の下記の論文で明らかになっています。

有事に役立つ平時の人的戦力整備の在り方

「各国とも経済上の制約があり、普段から常時即応可能な完璧な軍備を整えて置く訳には行かない。したがって、将来、危険な事態に直面した場合、動員により急速膨張が可能な平時軍備を整備するに努めている。」

「自衛隊が発足して間のない頃に陸上自衛隊の中央部は、有事に対処可能な防衛力を整備するため、大正時代の山梨・宇垣軍縮、戦間期(一次、二次両大戦間)の欧米各国の軍備を研究した。いみじくも、1957年に定めた国防の基本方針は、民生の安定と愛国心の高揚及び国力国情に応じた効率的な防衛力の斬新的な整備を強調している。」

「筆者は、幹部学校のCGS学生当時、旧軍出身の陸幕防衛担当幕僚、幹部学校教育部長及び教官各位から、ゼ-クトの軍備政策を学び、大いに感ずるところがあった。」

下士官ばかりのこのような組織が、有事の際、急速膨張を可能にする手段というのは、徴兵制しかないですよね?

詳細についてはこちら
陸上自衛隊幹部学校元教官の認識に見る徴兵制と1970年における政治状況

こういう重大な事柄は、騙し騙しで少しずつなし崩し的に事を進めるのではなく、国民投票で民意を問うてほしいもんです。