大ばくち 身ぐるみ脱いで すってんてん | T-MOTOの日曜映画

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日曜日のショートムービー製作

昨年は第一次世界大戦100周年でしたが、今年は終戦70周年です。

先の戦争をひとことでまとめると、

「大ばくち 身ぐるみ脱いで すってんてん」

ってところでしょうか。

甘粕事件を起こし、後に満州に渡って満州映画協会の理事長になった満州国の影の実力者の甘粕正彦の辞世の句です。(「ラストエンペラー」で坂本龍一さんがやっていた役)

ただ、この句だとこれまでずっと勝ち続けていて最後の太平洋戦争の大ばくちで逆転負けしたような意味合いもあるような感じです。でも、現実には、日本は日清戦争など最初のばくちからずっと負け続けていたんですね。

というのは、

日本の植民地経営はずっと赤字だった。

からです。

明治以降の日本の対外膨張政策についての費用対効果について、2.26事件が起きた年の昭和11年11月に外務省調査部が「日清戦争ヨリ満州事変ニ至ル日本外交ノ経済的得失」という報告書を出しています。

それによると、

日清戦争以後満州事変直前まで(満州事変を除く)
58億円の費用をかけて、20億円の利益を得たのみで、大損。
戦費を除いた計算では費用30億円で、10億円の大損。
また、この間日本の人口は2千万人が増加した一方、植民地の日本人は百万人増で、人口問題の解決にも役に立っていません。

満州事変の採算(事変後4年間の試算)
支出18億円に対して、収入3.6億円で、大損。
戦費を除いた計算では費用8億円でやはり大損。
1931年からの4年間に日本の人口は389万人の増加でこのうち満州移住は31万人のみ。

こちらのHPで文書を検索、閲覧することができます。
国立公文書館 アジア歴史資料センター

日本の明治から戦前までの歴史をひとことで言うと、
植民地経営は戦争がなくても赤字、戦争をやってさらに天文学的赤字。
まるで無意味というか、やるだけマイナスにしかならない戦争です。
戦前のこの国のトップって、バカなんじゃないでしょうか?
そして、お金だけでなく国内外の大勢の人命も失われてるのですから、責任者たちの罪は計り知れません。