午後の曳航 | T-MOTOの日曜映画

T-MOTOの日曜映画

日曜日のショートムービー製作

原作 三島由紀夫
出演 サラ・マイルズ、クリス・クリストファーソン 1976年公開

ずいぶん昔、大学時代に都内の名画座で観た作品です。

名門校の少年たちが、猫を殺して解剖したりしていて、最後には人間(主人公の少年の母親の再婚相手の船乗り)を解剖する話ですが、あまりのわけのわからなさにずっと心にひっかかっていました。

今から考えれば、生来の「残虐な行為で快感を得る性的サディズム」プラス、「他者に対する共感能力の欠如」プラス、過剰なエリート意識の結果としての「殺人による全能感」によるものなんじゃないかと理解しています。

佐世保の事件もおそらくそういうことなんじゃないかと思います。

世の中の究極のルールを破ることに全能感を感じるこのようなタイプは、「命の重さ」の教育をしたところで「凡人たちが強く主張する価値観、既存の道徳を軽々と超えてしまう私」という思考をするので、やればやるほど逆効果です。

おそらく犯人の少女も国費を使って専門家を投入して矯正に全力が尽くされることになるのでしょうが、自分のようなエリートにふさわしいVIP待遇として満足するんじゃないでしょうか。
これだけの犯罪を犯しても、少年法により個人情報が徹底的に隠蔽され、誰にも知られることなく、また社会に出てこられるのですから、罪が帳消しにされているのも同然です。

VIP待遇と罪の帳消しというご褒美がついてますので、過剰なエリート意識のあるこの種のタイプには、世の中が犯罪を奨励しているのも同然です。