パリの地下鉄開通 | T-MOTOの日曜映画

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日曜日のショートムービー製作

今日7月19日は、パリで初の地下鉄が開通した日です。(1900年7月19日)
1900年7月19日にパリ万博の会場を結ぶ路線として、パリメトロ1号線が開通しました。
パリ万博ではエッフェル塔も建てられています。
新しい世紀を迎えるにふさわしい人類の輝かしい進歩を予感させる万博だったんでしょうが、わずか14年後にヨーロッパはたいへんなことになってしまいます。

ところで、この時代は植民地の原住民の生活展示をする「人間動物園」が世界中で流行っていて、1900年のパリ万博でもマダガスカルの植民地集落が再現され生活展示されています。

日本も例外ではありません。

昨年、NHKの「人間動物園」という表現をめぐる控訴審で、東京高裁の須藤典明裁判長は、「深刻な人種差別的意味合いを持つ言葉で、パイワン族が野蛮で劣った人間で動物園の動物と同じように展示されたと放送した」という判決を下して驚きました。

この
須藤典明という裁判長は、この時代の植民地の原住民の生活展示を肯定する思想を抱いているんでしょうか?
現代において国の要職にこんな人物がいると思うとゾッとします。

「野蛮で劣った人間で動物園の動物と同じように展示されたと放送した」って、それは歴史的事実ですからね。

これが、植民地原住民の生活展示をやった1903年の大阪内国勧業博覧会の趣旨

『風俗画報』269号(1903年)

内地に近き異人種を集め、其風俗、器具、生活の模様等を実地に示さんとの趣向にて、北海道のアイヌ五名、台湾生蕃四名、琉球二名、朝鮮二名、支那三名、印度三名、同キリン人種七名、ジャワ三名、バルガリー一名、トルコ一名、アフリカ一名、都合三十二名の男女が、各其国の住所に模したる一定の区域内に団欒しつつ、日常の起居動作を見するにあり


大阪朝日新聞「博覧会附録 場外余興」(1903年3月1日)

○人類館 斜に正門に対して其建物あり。準備の都合にて開館は来る五日頃となるべく夜間開館の事は未定なりと云へば当分は昼間のみならん。内地に近き異人種を聚め其風俗、器具、生活の模様等を実地に示さんとの趣向にて北海道アイヌ五名、台湾生蕃四名、琉球二名、朝鮮二名、支那三名、印度三名、瓜哇一名、バルガリー一名、都合二十一名の男女が各其国の住所に摸したる一定の区画内に団欒しつゝ日常に起居動作を見すにあり。亦場内別に舞台如きものを設け其処にて替はる/\自国の歌舞音曲を演奏せしむる由にて観客入場の口は表にありて出口は裏にあり。通券は普通十銭、特等三十銭にして特等には土人等の写真及び別席にて薄茶を呈すとの事。


これらの展示に対し、対象地域からは猛烈な抗議がされて外交問題になり、清国と沖縄の展示は中止になっています。(人類館事件)

原住民生活展示で名誉毀損をした過去の事件について放送したNHKの方を名誉毀損とした裁判長って、頭がおかしいとしか思えません。

このような展示を名誉毀損にならないと思っているのなら、ぜひとも、「東京高裁の裁判長の生活展示」を博覧会で一般公開してほしいもんです。日本の裁判所には猛烈な不信感を抱いているので、日頃いいかげんな判決を下している裁判官が、どんな顔をしているのか、どんな一日を過ごしているのか、見てみたいもんです。