イルカと動物愛護法 | T-MOTOの日曜映画

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ケネディ大使のツィッターでイルカ漁が話題になっていますが、法的にはどうなっているんだろうと調べてみるとこうなっています。

第四十四条  愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する

4  前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
一  牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
二  前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの

飼っているか野生かを問わず牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひる、そして、飼っている動物にかぎり哺乳類、鳥類、爬虫類は保護の対象です。

爬虫類以上の高等生物はたとえ飼い主でも殺傷したら動物自身に対する罪に問われ、両生類以下は器物破損罪という飼い主の所有権を侵害する罪になるだけです。

日本の動物愛護法では、トカゲとカエルの間に明確な境界線が引かれています。
なぜ、カエルは殺してよくてトカゲはダメなのか、というのは、なぜ牛豚はよくてイルカはダメなのか、という問いかけと同じくらいよくわからない話です。

生物の進化というのは少しずつ進化する漸進的なものですから、白か黒かの境界線付近ではこういうことになるんでしょう。20歳とほとんど変わらないのにどうして19歳の飲酒はダメでなのか、みたいなものです。

いずれにせよ、日本も欧米諸国も特定の高等生物だけを保護するという思想では同じです。

違うのは個々のケースだけです。

牛豚鶏は日本人も食べていますので、ここは相違点ではありません。

問題のイルカですが、野生のイルカは殺傷しても罪に問われなくても、水族館で飼っているイルカはたとえ飼い主でも殺傷したら二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金の罪に問われます。

これもまた背景の思想がわかりにくい話です。

それから、食文化の伝統の問題ですが、アメリカもロシアもイヌイットの捕鯨を認めています。
食文化の伝統は保護するという点では、基本的には相違点はありません。

どの範囲を保護すべき食文化の伝統と考えるかは大きく意見が分かれそうです。
イヌイットの人たちが原始的な方法で自給自足のような捕鯨をすることは、百人の人に聞いたらおそらく百人の人が伝統文化と認めるでしょうが、1970年代から始めた大地町のイルカ追い込み漁を伝統文化と認めてくれる人が世界で百人中何人いるかとなると、なかなかむずかしそうです。