木下恵介監督は、近年、国内や世界で評価されるようになって、昨年の三大映画祭、ベネチア、カンヌ、ベルリン映画祭で作品が紹介された唯一の日本人監督なのだそうです。
庶民の目線で貧困とか戦争とか社会の不条理とかについて描いた監督です。国内で再評価されるようになったのは、貧困化がひどくなっている世情のせいでしょうか?
木下監督の映画では、登場人物が実によく愚痴をこぼします。紹介したテレビ番組では「愚痴の力」と表現していましたが、やはり、口に出してもらわないとなかなか人の悩みはわかりませんからね。
私自身は愚痴にはネガティブなイメージしかなかったのでこれまで愚痴を言った記憶はほとんどありません。なんせ、漢字からして「愚」に「痴」ですからね。
人の悪口になって聞き苦しくならなければ、愚痴を言うことはもっと肯定的に考えていいのかもしれませんし、そうなれば、もう少し共感し合えるような社会になるのかもしれません。