「初めに」
化石燃焼ガスによる地球温暖化が今日的話題として喧しいけれど、その折、遡上に登るのが、原子力発電(以下「原発」という)は、化石燃料ガスである二酸化炭素を排出しない為、温暖化に寄与しないとされる。
では、何故、温暖化に寄与しないのか「原発」と「火力発電」の発電方法の違いを説明することで、温暖化に対する理解の一助と成ればと思う次第です。
元より、投稿者は、原発に携わった経験も無ければ、科学者としての地位も知識も有りません。唯の科学に興味ある素人です。その素人が我が子に教えるとすればどの様にすれば、と考え纏めたものです。
ただ、素人の理解者ですが、記載内容は、充分な学習を通してのものであり、事実齟齬は無いものと思っています。
§1. 原発の概要
原発も火力発電も発電する機能部分は一緒です。即ち、蒸気にて蒸気タービンを回転させ、連結する発電機で電気を発生します。電気モーターを考えて下さい。電気モーターは、受電しモーターを回転、それをモーター軸を通じて仕事をさせます。発電はこの逆で、「仕事部分=蒸気」で蒸気タービンを回転させ、その回転力が発電機による電気発生となります。
《図-1》
【原発での蒸気発生】
原発で蒸気を発生させるには、水を蒸気とするためのエネルギーに核物質を使います。具体的には、ウランの同位体であるウラン235(235U)を用います。天然に存在するウランは7種類ほどの同位体の混合物ですが、主なものは質量238のウラン238(238U)と質量235のウラン235(235U)であり、その存在度は、238Uが約99.3%、235Uが0.7%と圧倒的に238Uが多くなっています。
原発燃料とするためには、235Uの分離精製・濃縮が必要となります。濃縮されて235U濃度が3〜5%に高められた「濃縮ウラン」これが原発燃料です。因みに原子爆弾として利用する場合は、70~80%に濃縮する必要があります。
濃縮ウランは一定量以上になると、原子核の中性子を出すことで核分裂を起こします。この核分裂の熱エネルギーを水に吸収させることで、水蒸気にし、蒸気タービンを回転、発電させます。
《図-2》原子の構造
《図-3》原子核の分裂
《図-4》原発の構造(沸騰水型(BWR))
§2.火力発電
先述したとおり、火力発電が原発と異なるところは、水を水蒸気にするためのエネルギー源が主に石油等の化石燃料とすることです。
化石燃料は、主に炭素(C)と水素(H)の化合物です。これを燃焼させると二酸化炭素(CO2)と水(H2O)が生成されます。
例えば、火力発電の燃料として使用される石油類、プロパンとブタンの燃焼式は次のようになります。
【プロパンの化学式C3H8】
C3H8+5O2 ⇨ 3CO2+4H2O
【ブタンの化学式C4H10】
C4H10+6.5O2 ⇨ 4CO2+5H2O
これから分かることは、当然ですが炭素量に比例して二酸化炭素量が増加することです。従って石油類の重質化、ガソリン➡︎軽油➡︎重油になるに従い二酸化炭素の生成量が増加します。これが石炭だと、石炭は炭素の塊であり、更に増加することとなります。既存の燃料帯で炭素を含有していないものはありません。従って、火力発電はどの様なものであれ、排出量の多寡は有りますが、二酸化炭素の排出を避けることは出来ません。参考までに現在、火力発電で使用されている燃料を紹介しておきます。
1️⃣ 石油火力::燃料単価が高く、国際情勢などにより
燃料価格が変動しやすい。
2️⃣ LNG火力、その他ガス火力 :石油・石炭に比べ
CO2の排出量が少ない発電方式。燃料単価は
石油より安いが、石炭と比べると割高。
3️⃣ 石炭火力: 石油に比べ埋蔵量が豊富で単価も安い。
その反面、環境保全対策が特に必要な発電方式。
《図-5》火力発電のしくみ
§3.まとめ
原発と火力発電で異なるのは、水を水蒸気にするための熱エネルギーの違いであることです。
この違いは、前門に、一旦事故になれば、国家態勢を揺るがす程の大問題を抱合する原発であり、後門に地球温暖化というこれも又、人類生存に関わるものである火力発電です。
将来に亘り電機エネルギーは、わが国の産業に取って必要欠くべからずのものであり、どちらの選択が良い/悪い、採用/不採用 等々、軽々に判断して良いものではありません。
しかし乍ら、今日の問題として、何時迄も結論を先送りする程の余裕は有りません。我われ一人一人が真剣に必死で考え良策を導かねば成りません。其のための一助にでも成ればと思い、本項を投稿した次第です。
以上




