先日実家の父から連絡があり、母が入院したとのこと。癒着性イレウスという、腸閉塞のような状態だそうです。
まずは保存療法で、効果が見られない場合は外科手術になるそうです。ところが母の場合、保存療法も外科手術もどちらもハイリスク。
保存療法で肺炎を引き起こす可能性があるらしく、そうなると母の命は危険にさらされる状態。
「万が一そんな事態に陥った場合、延命治療などをどうするか。家族間で意見を一致させておいてください」と父は医師から言われたそうです。
それを聞いた私が最初に思ったことは、「あ、私まだ家族だと思われてるんだ」でした。
我ながら冷たいと思います。非情な女だと思います。
けどね、自分はなるべく実家と距離を置きたいと思っていて、ここ数年は極力関わらないように生きてきたからね。
忘れてもらって全然かまわないという気持ちがあるのは事実。
けど、実父からしたら私はまだ家族なんだなぁって。
苗字も違うのにね。
それから次に湧いてきた感情が「私に聞かれても困る」ということ。
もうずいぶんと離れて暮らしているし、そこはずっと一緒にいる父と、母本人の意思が一番尊重されるべきだと思うんです。
急に言われてもすぐに考えはまとまらない、という気持ちもあります。
父からの電話を切った後も、私はとても落ち着いていました。動揺して取り乱すこともなく、悲しみの涙を流したわけでもありません。
ただただ冷静に「たとえ亡くなったとしても、私が受けた傷が癒えることはないんだよなぁ」などということを考えておりました。
けど、そんな風に考えてしまう自分もなんだかすごく嫌でした。
きっと本当はもっと、心配してソワソワしたり、悲しくなったりするんだろうなと思ったからです。
とりあえず今は、保存療法の効果が出ることを願っています。
私にとっては毒母だけど、私の子どもたちはばぁばのことが大好きだから。
少しでも長生きしてほしいという気持ちは、嘘ではありません。