あっという間に「鎌倉殿の13人」の3分の1を鑑賞しました。作業しながらの鑑賞なので大まかにではあるのですが面白いですね。

 

 さて今回は,ベクトルが苦手な生徒が多い理由のお話。毎年の高校生たちが悩むベクトル。実は悩む理由は同じで内積の大切さを教えてもらっていないからというのが大きな理由として挙げられます。

 

 また,内積の考え方には三角比の定義がからんで(ベクトルの正射影)おり,前にもお話した通り学校では三角比の定義を疎かにしていますから,内積を授業しているときにそのツケが回ってきているのかもしれませんし,もっと言えばそんな本質の話をすっ飛ばして内積の式を覚えろと指導しているのかもしれません。

 

 高校数学のベクトルを指導するに際し,新しく出てくる概念は内積だけなのに,その内積までも疎かに扱う指導なので高校生たちはベクトルが苦手になります。

 

 事実,毎年高校生たちは内積が出始めたときにわからんと言い出します。そして毎年のように内積の話をすると,それって初めて聞いたとかそういうことやったとかといいます。

 

 しかも内積は先ほども申したようにベクトルの正射影の話につながるので,難関大学受験する生徒たちにとっては必須の考え方なのですが,その考え方も知らないままなので,そりゃ長崎県の進学実績自体もどんどん下がってくるのです。

 

 もちろん難関大学に進学するのがすべていいとは言いませんが,その学校の指導のために志望校を変えざるをえない現実があるのも事実です。

 

 自分たちのイデオロギーの主張などよりも,ちゃんとした授業を心がけることにベクトルを向けて欲しいものです。