福島鰹南丹工場見学会に行ってきました。
工場見学と福島鰹さんからの出汁への提案を兼ねた試飲会。
到着して、まず創業90年の歴史と削り節の製造現場のDVDを見る。創業者福島明一郎は愛媛県の瀬戸内の小島を飛び出し、最初はそこで取れていた煮干しや鯖節を京都で荷車に積んで売り歩く所から発展させたそうだ。その当時は鯖節を京都で使う文化はなかったらしく、最初は売りにくかったようだが、良い味が出ると評判で売れるようになったようだ。今では関西のうどん出汁では鯖節はよく使われているが、京都ではこの方のおかげなのかもしれないと思うと感慨深いものがあります。
続いて、工場見学。平成26年に竣工した新工場。京都の真ん中にあった工場を手狭さと周辺への香りの配慮等の理由で移転(移転前に工場へ行かせてもらった時に何処にあるのかな〜って思ったら,ただよう香りでこの辺やな、近いな!ってわかった事を思い出しました)。
150tを冷蔵保存する巨大倉庫。現地で出来上がった削り節や煮干しは全て買上げて、ここで保存しているとの事。天然資源故に不漁もある為に在庫は沢山持っておく必要がある様です。生産者からしてみれば、出来上がった商品を全て買上げてくれるというのは有難い事だろうなと思う(買い叩きが無ければですが…)。
そして最後に福島鰹さんから出汁への提案を兼ねた出汁の試飲会。
ズラリと並んだそれぞれ単体で引いた出汁!20種以上!
提案というのは「出汁変えるのは怖いと思われているが、季節に応じた出汁にするというのはどうでしょうか。春には鰆節を、夏にはカマス節を使ってみる、そんなのはどうでしょう!」という事でした。
では、どんな味かいなと30分間の試飲タイム。
普段、単体で引いて味わう事は滅多にしないので、この機会に飲みまくる!鰹、うるめ、サバ、イリコ、鮭、さんま、太刀魚、鰆、カマス、鯛、アゴ、焼きの入ったもの、昆布も羅臼、利尻、真昆布、日高など。インパクトあったのは、カマスやアゴ(トビウオ)かな。単体で味わった後はブレンドしてみたりと楽しみました。
お店で使うイリコちゃんは単体だと臭みもあるし、この中では存在感を消し気味でした。「この中では一番旨味成分があるのどれですかと担当の方に聞くと「この中で一番旨味成分がありパンチがあるのはイリコ!」だそうで、存在感消し気味だったのでちょっとビックリ。昆布や野菜などのグルタミン酸との強力タッグで力を発揮するのだ!やるなイリコちゃん!!
時間いっぱい、もう飲めないくらい飲みました!
よって、胃が出汁でちゃぽんちゃぽんというかつてない経験をしました。天然のアミノ酸、グルタミン酸、イノシン酸を大量摂取…。こりゃ元気出ますわ。そして身体も工場の削り節臭にまみれて(排気ダクトからの香りがハンパなかった)、外から、中から、心も削り節に抱かれた楽しい時間でした。
また、福島鰹さんや現地で生産して頂いている方々漁師さん、水産資源に感謝を感じ、天然資源故に大変ですが、これからも末長く続いて欲しいと思いました(今年は羅臼昆布が大不漁だそうだ)。
良い経験させていただきありがとうございました。京都に、南丹に福島鰹さんがある事が嬉しくなりました。