昼間いらした訪看さんが再び来てくださり、医師の死亡確認後、息子と私も一緒にエンゼルケアを行った。
冷たくなっていく体を丁寧に清拭して、保湿ローションをぬり、近年一番楽しかったであろう日に来た服を着せた。
家族はだれも泣かなかった。
逝ってしまった悲しさはあるけれど、それより、やっと楽になったね、よかったね、という気持ちのほうが大きかった。
そもそも肝臓がんが見つかった時点で治療が難しいほど悪化していたのに、治療に挑み、抗がん剤の副作用で食欲不振に陥りガリガリに痩せ、寝ているときだけが痛みと苦しみから解放されるんだと言って、何もせずに布団に横たわっていた半年間。
本人が望んだこととはいえ、よくがんばったと思う。
最後は治療を諦めて一息であの世へ、と望んだけれど、そうは行かなかった。
「こんなに辛いとわかっていたら治療するんじゃなかった」
と苦しむ本人を前に、私達も掛ける言葉が見つからず、
注射一本で逝けるなら今すぐ楽にしてあげてほしいとドクターにお願いしたくらいだ。
癌とわかった時、どんな選択肢があるか、素人の私達には見当もつかなかった。
もっと早くに治療を諦め、緩和ケア中心にしていたら、もっと楽に過ごせたり、長生きできたのかなあなどとも考えてしまう。
がん治療を選んだらどうなるのか。
選ばなかったらどうなるのか。
知らないから選べない。
そのことを痛感し、このブログも個人感情はさておき自分が知りたかったことを書いてみた。
闘病中、他の方のブログは励みにも覚悟にもなったから。
コロナ禍で、入院が難しく、自宅での看取りが選択肢として増えていよう。
私は仕事の調整など苦労もあったが、わが家で看取れてよかった。
協力してくださった、医療機関、介護機関のみなさま、仕事仲間にも心から感謝しています。