5月10日,病院までいって,息子と初めて対面しました。


本当に穏やかな顔で,見た目には,何ら健康面に問題はなさそうです。


しかしながら,やはり,息子は,胎児診断のときと同じく,「三尖弁閉鎖症」という病気ということです。

心の片隅で,1%ぐらいの確率でも,胎児診断は誤りだった・・・ということを期待していたのですが・・・


ただ,この「三尖弁閉鎖症」。もう,その病名を聞いてから4か月経って,生まれたあとに小児循環器内科の先生から,告知を受ける心の準備はできていました。ですので,僕も妻も現実を受け入れました。息子の生涯にわたって,この病気と闘い続けるのだと。


小児循環器内科の先生は,1時間も時間を割いていただいて,いろいろとお話しいただきました。


①この1か月に必要なことは,肺動脈絞扼術(バンディング)とこれのための入院。息子の場合,全身に新鮮な血液を送るためのポンプである左心室から,大動脈とともに,それほど圧力のいらない肺動脈が出発しているために,肺動脈に血流がかなりあって,肺に負担がかかってしまうとのこと。これを防ぐために,まず,肺動脈を縛って,血流を減らす手術が必要なようです。


②次に,体重が5kgになったころを目安にグレン手術。上大静脈と肺動脈をつなげる手術です。

このころに,在宅酸素をするかどうかも決めるとのこと。現在,これをする可能性は5分5分との話でした。


③さらに,体重が10kgになったころを目安にフォンタン手術。息子の病気について,これが目標となります。

これは,下大動脈と肺動脈を人工血管でつなげる手術です。これが終われば,機能的には根治することになります。


そして,各手術のまえには,心臓の状態をみるために,カテーテル検査をするということでした。


上記は,一般的なながれ。場合により,②がないこともあるようですが,あまり期待はしない方がいいと思っています。


息子は,フォンタン後は通常の日常生活を送ることができるとのことですが,服薬は一生続くということでした。肺動脈の流れは,心臓を経由しない分,弱く,血栓ができやすいとのことで,抗凝固剤を服薬するようです。また,心臓は,通常の4つの部屋ではなく,2つの部屋しかないために,現在の平均寿命よりも短い人生になるのではないかとも言われました。


一生続く服薬や,寿命の話は,実際に医師の口から出た言葉なので衝撃はありましたが,これまでの4か月間の病気との付き合いで,妻と話をしながら,覚悟していたことでした。仮に息子の人生が普通の人よりも短い人生になったとしても,その分,充実した人生を送ってもらうように,親として,できることは全力を尽くすということ。その点は,元気な子を持つ親とやることは同じです。


そして,我が家の関心事は,僕の異動と手術を行う病院です。①は現在妻と息子が入院しているJ医院で確実にできるので,病院の選択としては全く問題ありません。②と③は,来年の4月にある僕の異動との兼ね合いで,現在のJ医院ではできない可能性あり,医師に相談してみました。


やはり,実績のある病院で手術をした方がよいとのこと。そして,実績のある病院は,日本ではそれほど多くはないということでした。外科の先生と相談するということでしたが,やはり病院は,変えない方がいいと感じました。