世間と同じく、祝日は病院はお休み。
よって、Takekoも久々の連休を味わっておりました。
しかし、やったことと言えば…ちょっとお掃除と、レッスンバッグの洗濯、お友達と2回ご飯、レッスン2回…
あとはお化粧品の大人買い。
相変わらず連休らしいことはな~んにもやらなかった、と思っていたのですが、こうやって書いてみるとプチ贅沢はしているかも?
なにせ、普段レッスンにかける金額と時間がハンパないので、ちょっとやっそっとの贅沢ではあまりピンと来なくなっているのかも…
普段、病院、家、教室以外に出掛けていない。
出費に関してもほとんどレッスン費とウェア代とシューズ代と…そしてイベントでぶっ飛ぶ大金…
普段は外食もせず、3食地味な自炊…
お酒も全然飲まない、飲めない。
エンゲル係数ならぬ、ダンス係数がハンパないと思う
これから来る、イベント目白押しの夏が怖い…
めまいの経過報告
ほんとにね…もうめまいと言う言葉は使いたくないですよ…。
だって、めまいなんてかわいい病名で済まされないもん
どんな病気も怪我も、自分がなって初めて分かるよな~とつくづく思います。
“良性発作性頭位変換性めまい”
良性だと?頭変換の時だけじゃねーよ、症状はめまいだけじゃねーよ、と、絶望的な気分になる恐るべし良性疾患…
そう、あくまでも良性なのが救いですけどね…。
ここまで、BPPVになったよ、とだけ騒いできたTakekoですが、ちょっとちゃんと説明しましょう。
なにげに良く遭遇する病気です。
自分の中では病気と言うよりは怪我かな?という印象。
哺乳類(というくくりと思っていたら、なんと魚にもあった‼)がもつ平衡感覚、それは言わずと知れた三半規管が司るもの。
簡単に説明すると、三半規管から傾きの信号が入り、前庭神経、前庭神経核へと伝わって、我々は自分が傾いてるぞ~と認識します。
医者とは思えないポンコツな説明ですみません
耳の奥、内耳の前庭という部分には、感覚毛を持った感覚細胞があります。
感覚毛の上には、数ミクロンm単位の極小サイズの石(カルシウムの塊)が載ってます。
これが耳石。
絨毯みたいな毛の上に小さい石が乗っていて、全体が揺れたとすると…
石と毛が少しずれて動くのが想像できます?
その微妙なずれで重力の方向の変化を感じ、傾きとして感じているわけです。
(分かりにくくてすみません)
一方で、三半規管は回転を感じる器官です。
左右の耳に3つづつ、計6つの三半規管があります。
馬の蹄鉄みたいな形のチューブの中に、リンパ液が満たされています。
頭が傾くと、そのリンパ液にゆっくりとした流れができます。
この流れを感じて我々は回転を感じているわけです。
こんな感じの構造。
で、普通は耳石は決まった場所にあって、半規管のチューブには入らないようになっているわけですよ。
だって、ゆっくり流れる液体の中に、硬い砂が入ったらどうなると思います?
ゆっくりした流れで傾きを感じているのに、硬い砂だけがサーッと速い速度で移動することになりますよね?
怖くないですか?
とんでもないことになるの分かります?
ゆっくりした流れだけで我々は十分に傾きや回転を感知し、日ごろ生活しているわけですよね。
横になる時も、転ぶ時も、ひいてはダンスをして頭が傾いている時も…
そう、ゆっくりした流れで十分なんですよ…
それが…何倍速にもなって、ちょっとした傾きだけでものすごい傾き(というか傾いているだけなのに落下する感覚になる)になったらどうなります?
怖いでしょ…
そう、何かの拍子に耳石が取れて、三半規管に迷い込む病気(怪我?)がBPPVです。
ハッキリ言って、平衡感覚をグチャグチャにされるわけです。
クラクラする、めまいがする、なんてお上品なもんじゃありません。
平衡感覚はあらゆる動作に関係してくるわけですから。
ご飯を食べている時、字を書くとき、手作業をするときには平衡感覚は使われていないと思いますか?
とても簡単な動作であっても、芸術的な緻密さで微妙な制御をされているんですよ~。
しかもこのBPPV。
頭を傾けなければ大丈夫~、みたいな言われようをします。
(教科書にも書いてある)
が…一体どこに、頭を微動だにしないで生活している生き物がいますか?
ご飯を食べる、歩く、パソコンで仕事をする、ひいては、じっと座っている時だって…全てにおいて、頭が固定されている状況なんてないんですよね。
わずかに傾いたり動いたりしているものなんです。
ななんら、じとおしていても、自分の心臓の拍動の振動に合わせて頭も少し拍動しているので、それに合わせてクランクランする…
だからいつでもグラグラ状態。
パソコンの画面も揺れている…。
で、何かの拍子に頭を動かしたらそれがとんでもなく酷くなる状態。
傾きを補正するため、転ばない様に身体も精神も使うから夕方には疲労困憊…。
そんなこんなで3ヶ月弱、一進一退で改善傾向で経過してきたわけです。
現在は歩いている時はそこまで気にならなくなったかな?
やっと字がちゃんと書けるようになったかな?と言う状態です。
でもやっぱりいつもの微妙な調整はできないし、立っている時は身体はどこかしらに引っ張られているのが続いています。
治るには、迷い込んだ耳石が勝手に溶けてなくなっていくのを待つしかないわけです。
めまいがするのを承知で頭動かしまくれば石が早く小さくなるようですが…
本当か?
数㎝の石なら動かして周りにぶつければ細かくなるイメージはつくが…数ミクロンの石がそのくらいで砕けるか??
石ころを床にぶつけたら多少割れるかもだけど、砂を壁にぶつけても砕けないよね?
そもそもが十二分に小さい石だぞ?
で、治るにはどのくらいかかるのかな?
“1~2週間で自然治癒”(by 耳鼻科教科書)
嘘だろ?
これが一番当事者として言いたい‼
すみません、今迄、自分も患者さんに、1~2週間で治りますよ、と言ってしまっていました…
(だってそう習うんだもん‼)
ごめんなさい、その患者さん達にスライディング土下座したいです‼
自分がなってから、自分の患者さんで、BPPVなったことあるよ、という人に聞いてみると…1~3ヶ月かかってる…。
実際、完治にはそれ以上かかっている人もいるようです。
自分の感覚では、1~2週間で治る人ってス-パーラッキーでは?と。
まあ運よく、石が三半規管から排出される場合もあるので、そういう例が早く治っているのかもしれません。
なにしろ、自分の周りの内科医、診察してもらった耳鼻科の先生(総合病院と大学の先生2名)、皆さん、私の症状と、数週間たってまだ治っていないと言う話をした時に、『え?それって他の疾患じゃないですか…?』と心配されました。
つまり、頭を傾けなければ大丈夫、1~2週間で治りますよ、というのは私だけの認識ではありません。
(Takekoが非情なダメ医者ってわけじゃないのよ!)
あくまでも一般認識なんですよ。
今回のことで、学問として身に着けた知識と、実際に遭遇して身に着けた感覚、現実の違いをことごとく味わうことになりました。
やっぱり目の前の患者さんを診て、学ばせて頂くことは大事。
今後もBPPVの患者様を診る機会があると思いますが、
つらいよね…。治るまで数ヶ月は覚悟してください。
でもきっと治るよ。悪いものじゃないよ。
それを信じて頑張るしかないのよ…。
ものすごく運が良ければ数週間で治るかもね。
と、なんとも曖昧な慰めをすることになりそうです
全国のBPPV当事者さん!
これは本当につらい!
健康に見えるし、なんなら、良性疾患だから甘えるんじゃない、と言う目で見られがち…
自分でも甘えていいのか分からない。
でも本当につらいよね!
希望を捨てずに一緒に頑張りましょう‼