最近記憶力の低下が著しいので、ここ1ヶ月ほどで見たお芝居の覚書を。
■『アウトロー・WE(望郷編)』 at 紀伊国屋サザンシアター
俳人・姜琪東さんの句集 『身世打鈴(シンセタリョン)』 を題材とした音楽劇。
主演の中西和久さん率いる京楽座の公演は、知人のまんたのりおさんが
出演しているので、結構見に行ってる。
が、今回の中西さんはガクランの中学生(だったかな)から演じられていて
その幅広い演技力には改めて感心させられる。
音楽劇といっても、ミュージカルみたいな感じではなく
「浪速の巨人」ことパギヤンが生で奏でる音、関西弁でうなる声が
印象深く、「語り」に近い。
「身世打鈴」とは、韓国語で身の上話のことで、姜琪東さんの半生の
エピソードとともに、時々、パッと垂れ幕で姜さんの句が出てくる。
そこには、在日韓国人であることを隠さなければ働けず、
生きていけない苦悩が刻まれているのだが、
句にはどこか自分の悲しみを突き放したようないさぎよさがある。
チラシにあった姜さんの句
「恨」と「怨」 玄界灘に 雪が降る
無一文から屋台のラーメン引き、そして経営者として成功していった
姜琪東さんの心を支えていたのが、創作活動だったんだな、と思う。
九州RKBの番組で、姜さんと劇の紹介がされ、ご本人も出演。
http://www.rkb.ne.jp/movie_at_rkb/genki/081109.php