こんばんは、地域リハビリのスペシャリストを目指すたけじゅんです。
暑い日が続いています。熱中症にはご注意くださいね。
今日は、ボランティアに来ていた作業療法の学生に、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンについて説明しました。
ご存じの通り、クローズドクエスチョンは、英語で言う"Can you-?"や"Is this-?"で始まるような質問で、返事ははいかいいえで答えることができます。返事が2択に絞られていることから、クローズド(閉ざされた)質問と呼ばれています。
一方、オープンクエスチョンは、英語で言う what where when which who how で始まる質問で、返事は具体的なモノだったり、様子だったりと多様です。
福祉現場を眺めてみると、介護職の多くの方は前者のクローズドクエスチョンを使っているように感じます。
「ご飯食べましたか?」「昨日はよく寝られましたか?」「リハビリしますか?」「トイレ行きますか?」などなど…
クローズドクエスチョンは2択であるが故に、返事をしやすく、テンポよく会話を続けることができます。対象者への負担感も少ないのも特徴です。しかし、2択という狭い枠の中での会話のため、どうしても会話は狭くなってしまいます。
そこで用いられるのが、オープンクエスチョンです。
オープンクエスチョンでは、「ご飯は何を食べましたか?」「昨日はどこに行ったのですか?」「今日のリハビリはどれから始めますか?」などと質問します。このような質問の仕方により、答える側に自由が生まれ、多くの語りを引き出すことができます。
もう一つ。オープンクエスチョンが本領発揮するのは、対象者の課題抽出場面です。
セラピストは観察や評価を通して、対象者の課題や問題点を把握し、プランを作成することができます。しかし、対象者にそのことを伝える際に、うまく対象者がやる気になってくれないことってありませんか?
この時、ほとんどの場合、「この訓練が必要だからやってください」と伝えていると思います。もちろん訓練の必要性や効果の説明を十分に行いますが、対象者が乗り気にならないことってありますよね。
この時、プランは持ちながらも、それをあえて提示せず、オープンクエスチョンで対象者の引っかかっている点や、心身機能面などを一つずつ聞き取っていき、最終的に対象者自身で結論にたどり着くようにガイドすることができます。誰かに言われてやるよりも、自分で必要性に気づいてやる方が、はるかにやる気が出ますし、必要性を感じている分、訓練にも乗りやすくなると思います。
私もはじめはプランの道筋にどうにか当てはめようとしていましたが、コーチングの考え方と出会ってから質問を重ねて対象者が結論にたどり着くのをガイドするスタンスに変えました。とは言っても、まだまだうまくいかないことはたくさんありますし、対象によってはプランの道筋をある程度示した方がいいかなと思う場合もあり、どうやって関わろうかなと日々頭を悩ませています。しかし、使える戦略が一つ増えたことは大きいと思います。
いろいろ長く書きましたが、まずは普段クローズドになっている質問をオープンに変えてみてはいかがでしょうか?
