こんばんは、地域リハビリのスペシャリストを目指すたけじゅんです。


私は学会で参加することができなかったのですが、横須賀では『高次脳機能障害講演&シンポジウム』が25日に開催されました。うちの職員にも声をかけ、何名か参加しましたが、すごい人気で満席だったそうです。
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注目は、やはり『日々コウジ中』の著者 柴本礼  さんの講演『働き盛りで倒れたら …当事者・家族から伝えたいこと…』ですね。

レジュメを拝見し、ぜひお話も聞いてみたかったなぁと思います。内容を大まかに紹介します。


1.コウジさんが突然倒れる(その時の一家の状況)


2.退院後どうしたらいいのかわからない


3.手続きがいっぱいで把握できない


4.入院中から退院後の手続きや施設などの情報が欲しかった


5.家族会に入会したが、働き盛りの年代がいなく、活動頻度もまちまち


6.インターネット上に家族会のようなコミュニティーがあったらなぁ


7.生命保険が認められない


8.役所などの窓口担当がこの障害について知らないので相談にならない


9.周囲の人(友人・親兄弟)が理解してくれない(「みんな同じよ!」「もう治ってるよ」など)


10.どんどん追いつめられていく家族


11.患者家族の心のケアの必要性を感じる(孤独、疲労、ストレス、経済不安、将来が見えず絶望的に…)


12.退院後の行き場がわからなかった→障害者就業・生活支援センターに相談


13.就職までの流れ(東京障害者職業センター→障害者職業総合センター・ハローワーク・障害者就業・生活支援センター)


14.就労してから現在までの様子(問題点、改善してきた点・良い点)


15.就労を支えているもの(会社側の理解と支援・家族からの支援)


16.主張「働き盛りの年代の高次脳機能障害者には就労が非常に大切!」→もっと就労の場を!!!


17.さいごに…この障害を乗り越えるには、家庭円満のことが重要な鍵。周囲にも、この障害のことを知らせ、理解と支えをお願いしましょう。


~この世の中は、助け合い~


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当事者家族ならではのリアルな高次脳機能障害の現場から、我々の支援方針が見えてくる気がします。

個々の問題点にだけに関わるのではなく、対象者の長所も短所もあらゆる資源(リソース)を活用してその人の人生に寄り添った支援計画を立てるのが地域リハビリの専門性だと思います。この講演で挙げられていた、情報提供や環境調整、家族支援もとても大切な支援です。疾病の治癒だけがリハビリのすべてではないことを踏まえた上で退院指導を考えていただけると幸いです。


まだまだ未熟な地域リハビリの基盤では強気なことは言えませんが、いつかは「あとのこと(人生の支援)は地域に任せて、病院では精一杯治療に専念してくれ!」と言えるように今後も頑張っていきたいと思います!