当センターでは、中途障害者(主に脳卒中・高次脳機能障害)の復職・就労支援を行っています。 リハビリセンターの中で事業展開している強みを生かして、体力面や生活(機能・管理)面へのアプローチと併行して、就労の準備や職場との調整を行っています。グループワークの強みであるピアカウンセリングを活用していることも、大きな支えになっています。
養護学校等では、卒業後の就労支援として3つの支援の柱を提示しているところがあるようです。
①育成:体力や生活、対人技術などいわゆるベース作り。
②実習:対象者とのマッチング。適性や支援などをしっかり把握し、企業に伝えます。職場開拓もこの枠組みに含まれるようです。
③定着支援:長く仕事が続けられるように、調整したりフォローアップ体制を作り、継続的に支援することです。 ①や②は当センターの自立訓練利用期間内で支援できることが多いですが、③はもっと息の長い支援が必要になります。
・転勤になって職場環境が変わってしまった。
・職場の上司が変わってしまった。
・業務量や勤務時間を増やしたい、あるいは減らしたい… などなど
これらの問題に対し、相談に乗ったり職場との間に入って調整したりと、きめ細かな支援が必要であり、かつそれはいつ必要になるかわからないところが定着支援の難しさです。 先日、当センターから一人の利用者が、復職断念後、新たな仕事を見つけて働き始めました。 当たり前のことですが、働き始めると会う機会が極端に減ってしまい、電話や手紙での支援が中心となりましたが、必要あらば訪問や職場との調整も行っていく予定ですし、中途障害者の当事者グループで直接会えるようにしています。 当事者グループでは就労の後輩だったこの利用者も、次回参加する際は就労の先輩として、新たな後輩の道しるべになっていくんですね。 本人も就労を通して病気の理解やその対処法を身につけ、心身ともに成長してきました。 こうした支援ができることを嬉しく、誇りに思いながら、私自身も日々成長していきたいと思います。