「サンボマスターとオジサン」第17回ですよ
オジサンが特に好きな曲や歌詞を勝手に紹介していますよ
今回は「ミラクルをキミとおこしたいんです」です。2013年6月26日に発売されたサンボマスター18枚目のシングルで、同年10月9日に発売された7枚目のアルバム「終わらないミラクルの予感アルバム」の1曲目(全13曲)にも収録されています。日本コカ・コーラ「い・ろ・は・す」のCMソングとして、耳にした人も多いと思います。
明るいアップテンポの賑やかで楽しい曲というイメージではあるのですが、「サンボマスターとオジサン新章」シリーズで最近取り上げた「花束」「できっこないをやらなくちゃ」同様、この曲もオジサンにはちょっとクセのある曲だったのです。
ノリノリで聞いているつもりなのに、ところどころ引っかかる・・・それがなんなのか、なぜなのか、ようやくわかったので今回の記事に至りました。今回はそこを紐解くために、オジサンが野暮だから避けてきた歌詞の解釈の話になることをあらかじめお断りしておきます。
たぶん一番わかりやすいのはココ。
あぁベイビー 悲しみ捨てちまいたい
- サンボマスター「ミラクルをキミとおこしたいんです」より
ここで捨てちまいたいと言われている「悲しみ」は誰のものだとイメージして聞いてますか?僕?キミ?たぶん、これどっちもいると思うんです。
・キミの悲しみを僕が捨ててあげたい
・僕の悲しみをキミに捨ててもらいたい
ここに限らず全編に渡って、この二つの解釈がどちらも破綻することなく成立する歌詞になってるんですよ。これぞ、まさにミラクル だから聞き手の心境や立場によって、少なくとも二つ以上の意味をもった曲なので、なんとなく聞いていると「あれ?」と引っかかるんです。
オジサンはサンボマスター歴の浅い後追い新米ファンなので、ディスコグラフィを俯瞰したときに、この曲が前年の「あなたのことしか考えられない」の次のシングルであることもわかって聞いているし、さらにその前年に東日本大震災があり、サンボマスター自身もレコード会社を移籍するという難所を乗り切った後の曲というのもわかった上で聞いています。なので、この曲の明るいイメージと何か違和感のある歌詞が、無理して作ったカラ元気の曲なのかな?なんて余計な詮索もしてみたんですが、オジサンの感じていた違和感は二つの解釈を行き来しながら聞いていたせいなんだと気がつきました。そうすると
キミだけに起こせる奇跡があって 僕だけに起こせる奇跡がある
- サンボマスター「ミラクルをキミとおこしたいんです」より
この部分が「キミ」も「僕」も奇跡を起こせる存在でいいわけですよね。
あー、すっきりした これで胸を張って「ミラクルをキミとおこしたいんです」をサンボマスターの中でも特に好きな曲として挙げられるようになりました。
これまでどちらか一方のイメージで聞いていた方は、ぜひこの機会にもう片方のイメージで通して聞いてみてください。さらにもっと深く読み込んだ解釈ができるぞ!というのもあればぜひ教えてくださいね。この曲に秘められたミラクルをもっともっとたくさん起こしましょう
