人間の外界からの受容器官は、
眼耳鼻舌身(意)五感+意識である。
(仏教では六根と、いいます。)
外界から入った情報は受容機関から入り脳で以下の作業をします。
色(現実世界)受(色を見る)想(見た結果想う)行(反応)識(定着、執着)
このことを、般若心経では五蘊と云います。
《例・リンゴ》
色…目で見る「なにかある」気が付く
受…赤い・まるい
想…見たことがある
行…あれかなぁ~
識…リンゴだ食べよう
瞑想の経典、サティパッターナ・スッタ(四念処経)では執着の5つの集合体と定義しています。
色…現実世界、法
受…あるがままを観る
想…心に想う←サティを入れる
行…反応、行動
識…心の創作活動、知識として定着
それは一瞬で行われる。
天台宗の天台止観では色受想行識…一刹那(0.01秒)とされています。
さて、ここからが本題です。苦を消す方法です。
刹那消滅・生起の連続中に想でサティ(気づき技術(ラベリング)=言葉の確認…上のリンゴの例では、「見た」)
を入れて今を意識します。
「見た」…ただそれだけで判断はしません。
そしてまた、何事もなかったようにサマタ瞑想(呼吸瞑想)に戻ります。
すると・・・行の反応は消え識まで至ることはありません。ですので、無駄な反応をしなくて済みます。
なぜなら苦は過去か未来のことに執着することにより発生します。執着すると、そこに渇愛が生まれ苦が生じます。
人間は、普段の生活において客観的に今現在を観る術を知りません。例えば、食事中にスマホを見たり、綺麗な夕焼けを見て写真を撮ったり、今に集中しているとは言えません。
瞑想者は日常的にサティ(ラベリング)を知らず知らずに習慣化できる。
そのことにより、今現在に意識があり、過去未来に意識が行くことはありません。
よって、妄想が入る余地なし、苦が発生する余地はないと云うことになります。
FA(一点集中瞑想・サマタ瞑想)により集中力が高まり、一般の人間よりもOM(アウェアネス・ヴィパッサナー瞑想)が向上しているので、周りの異変に気が付きやすい。このことは、私がクラブで常日頃から「御嶽山の悲劇、命を落とさない分類の人間に入る」ことを強調している通りです。
FA=フォーカス・アテンション(一つのことに意識を向けて集中する状態)
OM=オープン・モニタリング(一つに集中しながら周りも見えるている状態)
太極拳、氣功、ヨーガにマインドフルネスが加われば、その確率は著しく高くなりますし、太極拳、氣功、ヨーガの技術も自ずと上がります。
苦の消滅、災害の回避、フローのコントロールにより、もはや一般の人間ではなくなります。
イチロー、ビルゲイツ、スチィーブ・ジョブス、松下幸之助・・・仏陀の知恵(般若)を取り入れていました。
そこに至るには、マインドフルネスが有効です。
何故なら、禅の世界では20年~30年と修行を重ねても獲得し得ない解脱・悟りに至ることを目標にしています(あの親鸞ですら20年かけても悟れなかった)が、マインドフルネスは宗教色を抜くことにより、科学的見地から完成された合理的な科学手法で解脱・悟りまで至らなくとも、よりよい幸せな人生を獲得できます。
繰り返しますが、
マインドフルネスの目的は解脱・悟りではなく、よりよく生きること、よりよく幸せになることを目指しています。
それは、求めるモノではなく、来るものです。ですからエゴの発生する余地はありません。
悟りたい・・・とか、解脱したい・・・とか、求めるものではないのです。
ここまで読んでもマインドフルネスのことがよく分からない人へ…。
マインドフルネス=今に集中
マインドレスネス=他のことを考えている
マインドレスネスって、マインドフルネスの反対の状態を云います。この状態だと、脳はメチャクチャ疲れ、ストレスが増大し、情緒不安定になり、いらないことに反応し、やがて苦に発展します。
そうならない為に、マインドフルネス!太極拳やヨーガだって集中してるでしょ♪だから太極拳もヨーガもマインドフルネスなんです。一点に集中すること…でも、これって日常生活では難しいよね。四六時中、太極拳やヨーガをやってる場合は別として(笑)
だから、訓練するんです。座禅や立禅や歩行瞑想でね。その状態って、実は雑念が湧きやすい状態なんです。その状態でもサティ(気づき)のラベリングの技術をつかってマインドフルネスの状態を維持する。言い換えれば、マインドレスネスにならないように訓練するんです。
訓練が進むと、OM状態がいとも簡単に自然に身についてしまいます。要するに、御嶽山で異変に気づく体質になれる!感覚の鋭い人間になる。感が働く、危険察知能力向上、一歩進んだ人間!自分を守る、守れる人間だ!家族を守り、友達を守る人間は、こうして出来上がる。
幸福感や、認知症予防、ストレス軽減、集中力UP、病院の予防等は付随する能力の一部でしかありません。
この能力を、あなたに!
不明な点は部長まで、お気軽にね♪(^o^)/