作った直後は「最高だ!」と思っても、あとで見返すと「うーん……」となったり。
逆に「失敗した」と思った作品が、時間が経つと「いいじゃん!」に見えたり。
モノづくりをしていると、そんな不思議なことがよくあります。

昔、気合を入れまくって描いた作品がありました。
かなりの時間と手間をかけて、自信満々でコンテストに出したんです。
結果は……
まさかの落選!
めちゃくちゃ落ち込みました。
「あんなに頑張ったのに……」
自信があった分、ショックで立ち直れないくらいでした。
自分の作品集には載せていたものの、実物を見ると悲しくなるので、しばらくの間は見ないようにしていました。
ところが、数年が経ってから、ふと思ったんです。
「あの作品、やっぱり良かったよな」
落ち込んだ時は、「他人の評価」を自分の評価だと思い込んでいたのでしょうね。
時間が経ってその呪いが解けると、作品への愛着が戻ってきたんです。
「よし、久しぶりに実物を見てみるか!」
と、大切にしまっておいた箱を開けました。
ところが……
「あれ……? ない」
作品が、どこにもないんです。
「いや、絶対にこの箱だ。サイズからしても、これ以外ありえない」
冷や汗をかきながら中を確かめると、そこにあったのは「空っぽの木枠」だけでした。
そう、当時の私は、落選したショックのあまり、絵が描かれたキャンバスをバリバリと剥がし取ってしまっていたのです。 剥がした中身は、どこを探しても見当たりません。
「木枠を残すくらいなら、絵もそのままにしておけばよかったのに……」
まさにあとの祭りです。
一時の感情にまかせて、時間と手間をかけた宝物を壊してはいけないな……と、空の木枠を見つめながら深く反省したのでした。
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