翌日、子供達を家に残して仕事に向かう
この時の私は「やるべき事はしっかりとやらなければいけない」という責任感のみで行動していた
職場の同僚へ状況を報告する 同僚の顔を見ると安心感からか涙が出そうになる
それを我慢し、いい葬儀場があったら教えてほしいとお願いすると同僚の一人から紹介がもらえた
その葬儀場へ明日相談に行く事を伝えてもらうようにした
その他、自分で探した分も明日見学出来るように予約を入れ、仕事を片付けて自宅に戻り、3人で面会に向かう
病室に入ると、これまであった沢山の機器やチューブが呼吸器以外全部外されていた
妻の耳元で「スッキリしたね、もう繋がれてないよ」と言ったり、連絡を取っていた親や親族知人が明日面会に来ることを伝えた
妻の手術跡をそっと触ったり、手を握ったり「お母さん痩せたね」とか「今日は血圧が少し低いよね」と話したり
時間が惜しく感じるとはこの事だとわかる、私も子供達も妻と離れたくない
でも病院側に迷惑を掛ける訳にはいかず、「また明日みんなと来るからね」と声を掛け、少し時間をオーバーして病室を出る
職場へ戻らなければならず、子供達を家に送り仕事に戻った
帰り際、車の燃料を補給するためスタンドに寄ろうとした時だった
携帯が鳴った
病院からの着信 心臓が鳴る
携帯を取ると「奥様の血圧が下がってきています、病院までどれ位で来れますか」
動悸が止まらない「子供達を迎えに行ってからですので40分位で行けると思います」
そう答え、自宅へ向かい子供達を連れ病院へ向かう
車内では「お母さんに何かあったの」「今日面会したとき大丈夫そうだったのに」
「とにかく急いで向かおう」
病院近くに差し掛かった時に再度携帯が鳴る
「あとどれくらいですか!」「もうすぐ着きます!近くです!」「急いで下さい!」
緊急外来駐車場に車を停め、病院内を3人で走った
病室へ駆け込むと、担当看護師さんが泣きながら「たった今心臓が止まって…」
間に合わなかった
妻の手を握るとまだ暖かい「ありがとう、ありがとう、頑張ったね」私は妻の頭を撫でながらそう言った
子供達も「おかあさん頑張ったね、ありがとう」と言い、看護師さんは「私がもう少し早く連絡していたら」と言っていたが、私は「いいえ、ここの方々には本当にお世話になり感謝しています、ありがとうございました」とお礼を言った
2月6日、享年39歳
「妻と家族の闘病生活」は終わる事となった