雨には状態や季節によって、さまざまな呼び名があります。
数えたらキリがないのですが、狐の嫁入り、山茶花梅雨(さざんかつゆ)、卯の花腐し(うのはなくたし)、春時雨(はるしぐれ)、このあたりがボクのお気に入り雨(マイ・フェイバレット・レイン!?)です。
ちなみに“卯の花腐し”は本格的な梅雨に入る前にシトシト続く長雨です。
白い卯の花を腐らせてしまうほど長く続く雨、という意味。
俳諧では初夏の季語として使われています。
いったい誰が名付けたのかは知る由もありませんが、美の象徴である花を腐らせるインパクトが突き刺さります。剣豪の技にも出てきそうですよね。「必殺!卯の花腐し!」みたいな(笑)。
ともあれ、こんな素敵な名前を最初に考えた古人の感性に脱帽です。
雨の数だけ情緒がある。
雨の日の出来事をいつまでも忘れないのは、雨が感情や感性をさりげなく演出する力を持っているからではないでしょうか。
サザンの歌にもありますが、“思い出はいつの日も雨”なんですよ。・・・って勝手にしんみりしてる自分は、すでに雨の魔力に負けていますね。
では、最後に、とっておきの雨を紹介します!
その名は“洒涙雨(さいるいう)”。
これは陰暦7月7日の七夕に降る雨を言います。
織姫(織女)と彦星(牽牛)が別れを偲んで(または逢えなかった悲しみに)流す涙だと言われています。
年に一度逢えるか逢えないか。
数ある雨のなかでも、かなりレアな出現率の雨(ビックリマンのヘッド以上かも)に分類されます。
“洒涙雨”の「洒(しゃ・さい)」は“お洒落”と同じ漢字です。
〔1〕水をかけてきれいに洗う。そそぐ。すすぐ。あらう。
〔2〕あかぬけてさっぱりしている。 ※参照 岩波国語辞典
涙をあらう雨ってことでしょうか。
半端じゃない悲しみが伝わる言葉だと思いませんか?
雨ひとつとっても、さまざまな世界がありますね。