杉本です。
連載シリーズ第三弾
前回のつづきです。
前回の模様は↓
やっぱり(第2話)
おい

あんた

さっきから「やっぱり」やっぱり」って
ちゃんと見てんのか?

あまりに適当な対応に俺は思わず
占い師に罵声を浴びせた

ところが・・・


興奮状態の俺を目の前にしても
微動だに表情を変えない占い師

何秒くらいだっただろうか・・・
俺には3分くらいに思えたぐらい、
(実際は15秒くらいだったと思う)
互いに無言の時間が流れた。
それまで気にしなかった
店内のなんとも言えないBGMが耳に入ってきた。

炊かれたお香の匂いも気になってきた

薄暗い店内の雰囲気に飲み込まれそうだった。
やっとの思いで
俺はハッとした

怒りを態度に出したことを少し後悔した。







ついに占い師が沈黙を破った。
占い師は聞こえるか聞こえないかの
溜息をついた。
そうしてこう言った。

やっぱり。



















もうパニックだ。

何の「やっぱり」なのか?
まるでこうなるのが分かっていたと言うのか?
それとも、これで俺のことが分かったと言うのか?
試してたのか?
それとも改めて確認したのか?
どこまで分かったって言うんだ?
過去のことか?
この先のことか?
それとも未来のことか?
…。
そもそも何なんだ
何で俺は占いなんか受けてんだ?
疲れてたのか
冷やかしのつもりだったじゃないか?
何をパニックになっている。
怒りなのか?
恐怖なのか?
俺はこの場所にいることが出来なくなり、
代金を机に叩きつけるように置き、
逃げるように店を出ようとした。
慌てる素振りを見せまいと
冷静を装い、
出入り口の扉を開けた…。
続く・・・
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